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Naoさんの 「しあわせ の かくれんぼ」 (小説 - 未完)

当編集部にある物理的に破壊しようとしていたHDD。

 
 データ復旧しようにも破損が酷くて、どうしょうも出来なかったモノで、10年間放置しておいた。

 
 それを破壊(分解してから、ディスクをハンマーで粉々にする)する前にダメ元で、ジャンク屋で買った電源付きのHDDケースに入れてみたら断片的にではあるけれど、データを少なからず回収できた。

 今年が故Nao氏の七回忌ということで、ここ数か月間でボツ記事用の画像等をそこから拾い上げて何本か記事にしてきた。

 今回は、小説家・童話作家を目指していた彼が出版社に持ち込むことを前提に書いた小説のイントロ部分を世に出したい。

 2007年10月、当時、僕はフリー・ライターとして旅行雑誌なんぞで取材記事を書いたり、編集プロダクションの下請けで業界紙の編集をしていたりしていたので、彼から出版社のことや雑誌の投稿についての相談を受けていた。

 彼は親戚が経営していた温泉ホテルで番頭?をしていたり、旅が好きだったので、その辺りのことを書くように薦めていたんですが、(それは、このブログで 『下男日記』 につながったのだけれど)どうしても、小説を書きたいと試行錯誤していた。

 で、そんな時にとにかく、書き始めたのが、この 『しあわせ の かくれんぼ』 。だけれど、最終的にはアクション、ハード・ボイルドにしようか、官能小説にしようかと悩んでいて、結局は未完になってしまった。


 では、読んでいただきましょうか・・・・












投稿者: Nao    構成: Anthony





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[ 2019/12/12 19:22 ] Menu:05 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(10)

残照 (短歌)

照りつける 日差しが熱い 半ズボン

愛しき季節 また夏が去る








*台風の北上に伴ってというか、10月に入ってからの気温が30度越え。

 照りつける太陽が、半ズボンからはみ出している足首をチリチリと焼き付ける。

 夏が大好きな僕にとって、過ぎ去っていった夏が、もう一度やってきた気分。

 しっかし、その再度訪れた夏もまた去っていく、、、、  ああ、早く夏が来ないかなぁ、、、 来年の夏が待ち遠しい。


*タイトルの 「残照」 について

 大辞泉(小学館)には、日が沈んでからも雲などに照り映えて残っている光。夕日の光。残光。 類語 「余光(よこう)」 と掲載されている。

 また、日照時間の関係から、春・秋に現れることが多いといい、俳句の季語でも歳時記に正式に掲載されてはいないけれど、初秋の季語として使う人も多いらしい。

 
 僕は、初秋のイメージで 「残照」 とつけたのでは無くて、ニュアンスとしては 「余光」 に近い。夏が去った後に、また短いながらも夏がやってきたという感覚。。

 そして、副編集長のNaoさんが亡くなってから7年が経っても、彼の残した文章や詩が読者の皆さんに読み継がれている事実を重ね合わせてしまう。

 彼の闘病や禁煙日記などを、僕が10年以上続けている禁煙生活が破綻しそうになったら読み返していますし、迷作 『下男日記』 も何度も読み返して感慨にふけっている。(笑)

 雑誌の専門図書館 「大宅壮一文庫」 の運営でで有名な作家・評論家 大宅壮一 の長男で詩人の 大宅歩 がラグビーの負傷がもとで脳障害を起こして闘病中(33歳で死去) にノートに詩・文を残した 『ある永遠の序奏 詩と反逆と死』 を素材とした映画の題名が 『残照』(河崎義祐監督、三浦友和主演) ということも付け加えておく。












投稿者:庵祖兄





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[ 2019/10/10 23:00 ] Menu:05 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(15)

太るっ!  その1 「高脂肪・高カロリー・高塩分」 (Re-New & Mixed UP)

農家の下働きというのは、結構ツライものなんです。


 まともに働いたことが無い高校中退者で、今でうところの 「ニート君」 だった僕に勤まっているのが不思議。


 でも、何も考えずに、言われたことだけをやって金が儲けられるっていうのは、いいもんです。

 人間関係も気にしなくていいし、先輩も、後輩も、取引先へのヨイショもしなくていいし、気楽なモノです。

 ただ、バカになって行く自分が不安です・・・



楽しみは、食事と酒です。


 東北出身の奥さんが作る食事は妙に塩辛く、旦那(従業員は 「社長」 と呼ぶように強制させられているが)の好みで脂っこくて、しつこい。

 そのうえ、なんでも醤油ドバドバ、ソースたっっぷり!(お前は下町のオヤジか?) 


 家庭の事情で、九州の実家から離れて関西に暮らしていた期間が長かったので薄口の味に馴れ切ってしまい、塩分過多の食生活には耐えられないと最初は思っていた。

 でも、それにも馴れて平気になってしまったし、農作業が厳しくて結構な量の汗をかくので、身体が塩分を欲しがるのでしょう。 
 
 
 そして、毎晩ビールが1本(大瓶で)無料で飲めるのも嬉しいんですが、ビールの苦味と炭酸の爽快感が、脂っこいものを食べても平気にさせてしまうんです。

 結果、この3ヶ月で、25キロ太りました!

 身長が165cmの僕は体重が55kgという、身長マイナス110という平均体重の指標にジャストだったんですが、現在80kg!


 このままでは、生まれて初めての80kg代を越えるのは目に見えている .......













投稿者: シンジ  構成:Anthony   (初回掲載日 2006/09/11)

[編集長-ひとこと]

 この十数年の間に何度も何度も 「連載するする詐欺」 「取材再開やるやる詐欺」 「今度こそ完結させる宣言詐欺」 を繰り返してきたシンジくんといっても、もう50歳目前。(くん付けするような年齢ではなくなってししまった。)

 故Naoさんの 「下男日記」 を超えるような名作になるような期待を持たされながらも、その期待を裏切られ続けたこの企画。

 それを完結させる、と五十路に向かうオヤジが最後のチャレンジ。

 今度こそは、完結してくれ~~~!






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奥飛騨慕情(1) Just Like Paradise

冬だー!山だー!凍結だー!吹雪だー!温泉だー!


 日本列島、寒ーい毎日が続いてますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 冬と言えば温かーいお鍋が最高ですが、食事の前に、まずは温泉。しかも雪を見ながらの露天風呂とくれば言うこと無し。


 てな訳で、今回はリゾート・バイト専門 人材派遣会社 「株式会社ヒューマニック」 さんのご紹介で、ワイド・ビュー ひだ25号 に乗って岐阜県は高山市、奥飛騨温泉郷にやって来ました。




JR 高山駅 JR ワイド・ビューひだ 25号


♪せーんろは続くーよー♪どーこまーでーもー♪野ーを越え山越ーえー♪たーに越ーえーてー♪

 
 ってな感じで岐阜越え下呂越え上呂を越えて、やって来ました高山駅。


 奥飛騨温泉郷には、こちら高山駅から濃飛バスさんで、およそ90分のワインディングロードを走ります。

 早速バスに乗り込み、小京都と呼ばれる高山の街を抜けて山へ山へとバスは行く。




濃飛バスの車内から見る雪景色


ほどなく走ると湯けむり漂う温泉街へ。


 実はこちらの奥飛騨温泉郷は、平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉と五つの温泉地から構成され、その湧出量は驚くなかれ、毎分27000リットルの豊富な湯量に恵まれているのです。

 具体的に言うと、一分間でドラム缶およそ135本!

 洗面器に換算すると、天文学的数字な量に匹敵する湯量を誇る日本最大級の温泉地なのであります。


 そんな豊富な奥飛騨温泉でご紹介いたします、記念すべき第一湯目はコチラ!




職場(ホテル)の寮のお風呂 天然温泉の源泉が出てくる蛇口


 こちら、寮のお風呂は何と24時間源泉掛け流しの天然温泉で、近づくだけでソレと分かる、香り漂う硫黄泉。


 でありまして、白濁した湯船には真っ白な湯の華が乱れ咲きってな感じで、んでもって、実働八時間の三食昼寝付きの朝から温泉三昧の、まるっきりパラダイスの デイヴィッド・リー・ロス みたいな職場から奥飛騨温泉郷をリポートしたいと思ってます。


 んで、お世話になってるホテル様の露天風呂もかなり素敵な露天風呂ですので、連載の中でご紹介させていただきたいと思ってます。


 と、重複になりますが、このような素敵な職場を紹介して頂いた株式会社ヒューマニック名古屋支店のS様にスペシャルサンクスです。


 てな訳で、奥飛騨温泉郷シリーズを次回も楽しみにしててねー!




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 実働八時間の三食昼寝付きの朝から温泉三昧で職住近接なんて、うらやましい限りです。

 これで、いつ派遣切りに遭うかどうかわからない雇用じゃなくて、正社員採用だったなら、まさしく天国だろうねぇ~。


 前シリーズの 「下男日記」 のマキさん に対しては理想の関係に至らなかったNaoんだったが、今回は 奥飛騨慕情 ならぬ肉襞(にくひだ)慕情に突入できるか否や~(笑)



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熟女にさそわれて、、、

のれん「のぞいてごらん おばぁちゃんのへや」
撮影場所:大阪市平野区 全興寺境内 「駄菓子屋さん博物館」


 熟女の部屋で覗きたいと言えば、やはり吉永小百合か十朱幸代です。


 森光子はいくらなんでも行き過ぎだし、山本リンダは別の意味で関わりたくない。




「駄菓子屋さん博物館」内の懐かしい広告看板


 実は、大阪市平野区全興寺さんの「駄菓子屋さん博物館」の暖簾でした w

 森永チョコレートの広告ミラーもありました。




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 やっぱり、Naoさんは熟女好き~!(爆)

 → 「下男日記/下男の恋 マキさぁ~ん」(Anthony's CAFE - 09/1/8) に書いていたとおりだねぇ。

 
 で、Naoさんが山本リンダを避ける理由は、リンダおばさんが創○学会の熱狂的な信者だからか?



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下男日記 (11) 下男の終焉

吉野山からの帰路 下山


ある日の午後。昼休みも終わり宴会の時間まで体が空いた私はシーツたたみを命じられた。

 シーツは比較的簡単に終わり、次は手間のかかる浴衣たたみだ。

 女中頭Tさんに、たたみかたを教えてもらう。

 慣れてくると意外と簡単だ。

 要は縫い目のままに折ればよいだけのことだ。

 興に乗ってたたんでいるとBさんが入って来られた。



「明日から五連休やから辞めたい人は帰っていいらしいで」

 
 え?

 そんな、、、、、。

 突然どうしてですか?


 Bさんは「女将の四柱推命によると、専務と女将の運気が悪いからお客さんも断って休館にするらしいで」、と。

 四柱推命、、、、、。

 そんな曖昧なものに我々は振り回されていたのか、、、、、。

 
 そして宴会前の空き時間に、愛しいマキさんにその旨を伝えた。四柱推命によると云々と。

 するとマキさんは 「四柱推命、、、、、。そんな曖昧なものに私たちは、、、、、。」 と言った。



その日の夜。洗い物を片付けながら、いつも以上に私とマキさんはお喋りした。


 そして私が明日帰る事を伝えるとマキさんは、まだ悩んでいると答えた。

 いずれにしてもマキさんとは今夜限りでお別れだ。

 
 それならばいっそ。



 と思ったが、

 無理だ。

 歳が離れすぎている。

 
 マキさん。



マキさんは、思い出の中にしまっておこう。


 寒い時は熱いお茶を、宴会後の暑い時は冷たいお茶を、淹れ合って飲み合ったマキさん。

 疲れている私にお饅頭を差し入れてくれたマキさん。

 朝ごはんに一切れの鮭を二人で分かち合ったマキさん。


 そのマキさんが和服の袖の中からそっと手渡してくれた物がある。

 お客様の手のつけていない炊き込みご飯を、私の為にラップで包んでおにぎりにしてくれた。


 最後まで優しいマキさん。

 大好きでした。



翌朝。言われた通りに10時にフロントへ。


 支配人からお給料をいただく。しめて112000円。

 支配人にお礼を述べ、インターホンで女将さんに挨拶をする。

 その後、お別れをしようと探すも、下男や女中達の姿が見えない。

 挨拶もせずに帰ることになる。

 最後はこんなものか。


 まあいい。愛しのマキさんには昨夜、挨拶をすましている。



こうして休日二日をはさむ、私の延べ十八日間に及ぶ下男生活はあっけなく幕を閉じた。


 なんだか帰りのケーブル代さえもったいなく思い、山道を独りトボトボ歩いて駅を目指す。
 
 吉野山駅に着き切符を買おうとすると、やおら発車のベルが鳴った。

 あわてて切符を買わずに飛び乗り車掌室でお金を払う。

 
 シートに座り一息つき、バッグの中から、昨夜マキさんがくれたおにぎりを取り出し、かぶりつく。

 そのおにぎりは、マキさんのフワリとした優しさと、少しの涙の味と、初恋の甘く切ない香りがした。




下男日記  完。



「あとがき」


 超短期連載のつもりがネタの尽きぬ職場だった故に、思いがけず中期連載になりましたが、皆さま楽しんでいただけたでしょうか?

 今回は少々悪い条件での職場でしたが、現在は派遣会社さんからの紹介で、かなり好条件のホテルで働いております。

 下男日記は面接無しの飛び込みでしたが、やはり派遣会社さんを通した方が色々な面で恵まれます。

 と言うことで、次回からは温泉三昧の連載を始めますので、引き続き 『強引に My Way』 の応援をお願いいたします。

 それでは、下男日記の最後までのお付き合い、本当にありがとうございました。




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 四柱推命にもとづいて旅館の経営をするなんて!

 そんなもんで、旅館を休業にしたりとかって、それでは、従業員の生活や訪れる宿泊客は、いったい何なんだ~~?


 まぁ、細木ナントカという水商売上がりのバァさんの言うとおりに人生設計しているOLや主婦も多いらしいが...


 まぁ、なんだ、この吉野編はもっと引っ張って、内容の濃~い~連載にして欲しかったのだが、Nao さんのマキさんへの思いとか色々、人生色々♪ があるので、ここで終焉を迎えたのでした。

 次回のNaoさんの「奥飛騨慕情 編」に期待しましょう。



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下男日記 (10) 下男の恋

エイエイウォー(えいえい魚~)


相変わらずチンコが勃たない毎日が、続いている。


 私の睾丸は、すでに活動限界を突破してしまったのだろうか。

 職場に女気、と言うか若い女性が一人もいないのも原因の一つかもしれない。

 
 しかし、そんな左官屋みたいな厚化粧の女中のオバハンの中でも、マキさんという、和装の似合う細面の美人さんがいる。

 声も透き通った綺麗な声でスタイルも良い。後ろ姿のうなじも色っぽく何より働き者だ。

 口だけ達者の女中の中で、配膳に回された私とマキさんの間は急激に親しくなった。

 嫌な仕事は互いに譲り合う女中達の中で、二人は次第に気心が知れ、お互いに気を使い合う仲になっていった。

 

 そして私はいつの日か頭の中がマキさんでいっぱいになってしまうのであった。


 しかし、この女性(ひと)が、あと十歳、いや五歳若ければ、と悔やまれてならない。

 なにしろ、三十歳の息子さんがおられるというのだ。

 
 その話を聞いても私の、このマキさんと一緒にいるだけで幸せな気持ちになる感情は、何なのだろうか。

 しかもマキさんが休みの日なんか淋しくて切なくて、胸がキュンとなって仕方ない。

 君に胸キュン♪ で、ある。

 
 翌日、優しいマキさんの姿を見ると心強い。

 優しさと切なさと心強さ、だ。



ある日の休憩後。 マキさんが「まったく、もう!」と怒っておられる。


 どうしたのですか?と聞いてみると、昼休みに、寮の中でブサイクな壁塗り職人の女中達が聞くに耐えない様々な悪口を大声で喋り合っていると言う。

 そこで、聞いているだけで疲れるマキさんは一人で近所の喫茶店にコーヒーを飲みに行くと言う。

 そして、帰ると女中達が「マキちゃん、まだまだ若いなぁ。nao君とデートしてたんか。二人は仲が良いしなぁ」だと。

 更にマキさんが居ないとなると大声で 「マキちゃんとnao君はデキてるねん。私は何でも知ってるねん」 と。

 マキさんは言う。 「私とnao君はお互いに助け合う仕事の仲間なのに、どうして、あんな事言うの。nao君と私は仲間よねぇ」 と。

 私は 「そんな下品な噂を流す人って元々が下品な性格な人ですから気にしないでおきましょう」 と言いながら...


 「マキさん。私は貴女に仲間以上の特別な思いを、抱いているのだよ。」 と、そっと心の中でささやいた。



終業後。ユニットバスで入浴を終え、疲れた身体を横たえつつ ・・・


 マキさんと私が...もしも... と、想像したら少しだけチンコが起きた気がした。

 
 そんな妄想を抱きつつ、今日も夜はふけていく。



* 画像は、吉野山の温泉の淡水エイです。




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 Naoさんの年上好みというのは、今に始まったわけではいので、これといってビックリはしないのだけれど、今回だけは、なんか特別っていう感じが伝わってくるね。

 しかし、肉体関係になったらなぁと、妄想するNaoさんが、ちょっとカワイイぞ(笑)



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下男日記 (9) 下男の立ちつくし

吉野山周辺ナリ

下男の仕事は大まかに分けて洗い場、部屋掃除、布団敷き、そしてシーツ類の洗濯がある。


 とりわけ地下三階から地上二階へとシーツや浴衣を持って運ぶ地獄の階段登りが一番の苦痛である。

 が、その後のプレス室の仕事は、椅子に座ってシーツをプレス器に挟み、じっと見ているだけ、という足腰が疲れきっている下男達にとっては魅力ある、一番の人気スポットだ!

 
 当然、下男新入りの私に、そんな素敵な仕事が回ってくるはずもなく、今日も女中に混ざって配膳だ。

 この仕事でうんざりするのが、女中達が大声で喋る、女将さんの悪口と仕事の文句だ。

 聞いているだけで肩が凝る。

 
今日のお客様は、某県のお寺さんと檀家さん。高野山から吉野山への旅行の打ち上げだ。
 

 宴会は始めからハイテンションだ。例によってビールやお酒や焼酎を配する。

 そこに、たまたま厨房から言われたのだろう。ひょっとこマンが大量のかぶら蒸しを乗せたワゴンを、慣れぬ手つきでオロオロと運んで来た。

 それを宴客様に配しようとすると、お椀に蓋が無い。

 
 それを見た女中の中でも、とりわけ口の悪いM子が、ひょっとこマンに 「アンタ何やってんのよ!蓋が付いてないじゃん!アンタ馬鹿じゃない?かぶら蒸しに蓋をするなんて常識じゃん!あったま悪いわねー!知らないんだったら邪魔しないでくれる。こっちは忙しいんだからさぁ」

 これには私もムカッとした。

 彼は運んでくれと言われたから、運んで来ただけだ。

 
 すると 「そんなこと!俺にわかるはずないやろーっ!」

 ひょっとこマンが、吠えた。 あの卑屈なひょっとこマンが、大声で吠えた。

 大広間の宴席のお客様が 「ギョッ」 として振り向かれた。

 肩で息をしつつ、ひょっとこマンは去って行った。

 
 残されたM子は「なーにを興奮してるの、バーカね。私は何も言ってないのにね。そう思わない?」

 他人の悪口を言った後に 「そう思わない?」 と、付け加えるのが程度の低い連中の特徴だ。

 つまらん。


 結果、M子は私とのバトルの末、この三日後に、この旅館を辞めた。

 
 その日の夜。お女将さんから「nao君、悪いけどお寺さんと檀家さんの二次会がラウンジであるから手伝ってくれない?」との事。


 下男の私に断れるはずもなく、夜の八時過ぎにラウンジへと。

 くたくたに疲れきった足腰にムチ打って、直立不動のギャルソン仕事だ。否、過酷さ故に近衛兵か、とも考える。

 
 とにかくキツイ。銀盆を前に、ただ立つだけだ。

 チンコは勃たないのに、身体は直立不動である。

 
 ラウンジでのカラオケは時を追い、盛り上がる。

 直立不動の私がふと見ると、天井のクルクル回る七色のカクテルライトに反射して、お坊さんの頭がキラキラ光るのを見て吹き出しそうになる。

 イカン!絶対に笑っては駄目だ!

 そう自分で自分に言い聞かせる。

 
 しかし、適度な緊張感は笑いを覚醒させる。

 覚醒モードに突入だ。

 何とかして笑いをまぎらわせようと視線を変えると、残り二人のお坊さんの頭もキラ光りして乱反射状態だ。

 
 私の腹筋は、すでに臨界点を超えている。

 頬の肉も、ヒクヒク引きつってきた。

 
 限界だ。

 もう限界だ。

 そう自分で判断した私は、トイレに走る。

 便器に向かって笑いを吹き出した。

 
 何とか笑いを鎮め、カラオケが終わったのが夜の十一時だ。

 その後、お客様を送り出しテーブルの片付けをし、女将さんと二人で深夜にパーテーション(仕切り)とテーブルを元に戻す。

 戻しながら女将さんは、女中の悪口を言っていた。

 下男の私は、どっちもどっちだ、と思った。

 
 
 明日も六時前に起きよう。

 それが、下男の宿命なのだから ・ ・ ・




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 ひょっとこマンのその後の動向も気にかかるが、Naoさんの勃起不全が続く(インポなわけだが)チンコの具合が気にかかる~!(笑)


 今回も長文でしたが、一気に読めたました。次回も、期待しております。



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下男日記 (8) 下男の日常

「実話時代」 5月号

毎日が本当に忙しい。毎日毎日、団体のお客様が50~70名様で来られる。


 忙しいのはありがたいが、それも程度の物である。ここで下男の生活をご紹介しよう。


 下男の朝は早い。交替であるが出勤時間は六時、もしくは七時だ。

 寮であるので通勤時間は無いが、Nさんは地下三階の穴蔵から地上三階の玄関まで毎朝、階段を登りながら 「泣きそうになる」 と言っておられた。

 ここまで来ると職場ももはや死刑場だ。


 余談ではあるがNさんは仕事の後、窓の無い部屋にいると息が詰まるので毎晩、眠くなるまで階段の踊り場で座っておられる。

 時折、携帯電話で話しておられる姿を拝見するが、ご家族だろうか。

 いや、お互いに余計な詮索をしないのが下男達の暗黙の了解なのでやめておこう。

 
出勤後、お客様の朝食の配膳を済ませ、順々に来られるお客様に笑顔で挨拶をする。


 と、間髪入れずに下男達は素早く客室の布団あげに走る。

 私は何故か女中達に混ざってご飯を盛り、お味噌汁をお出しする。


 そして一通り終われば我々も朝食をいただく。

 その頃にはすっかり九時だ。朝が早い故にお腹もペコペコだ。

 しかし、朝はまかないが無いので、おかずは、お客様の手の付けていない鮭や玉子焼きを下男や女中達は奪い合って、、、、

 いや、分かち合って食べる。


 しかし本当に何もない日も多々ある。味噌汁とお茶と水は飲み放題である。

 が、おかずが何もない。そんな日の下男達は、食卓の前で 「何にも無い、、、、」 と、立ち尽くす。

 
 私が食卓の片隅をふと見ると、板前さんが気をきかせてくれたのだろう。天カスが置いてある。

 そこで下男達はご飯の上に天カスを乗せ、味噌汁をかけてザッパザッパと掻き込む。


 「朝から天丼だ、、、、」 自嘲気味に誰かが呟いた。


朝食後。皆で各部屋、ロビー、大広間、トイレ、欲情、ではなく浴場へと手分けして掃除に走る。
 
 
 チェックインのお客様に間に合うように、早く丁寧な掃除を心掛ける。

 時間に追われるので、あっという間に十二時だ。

 そこで昼食をいただくのだが、まかないのおばちゃんが異様に無神経で、揚げ物なぞ、段ボール入りの卵の、あの例のでこぼこしたヤツで油切りをするのである。

 不衛生極まりない。当然、埃よけの被せは新聞紙だ。

 しかし、食品添加物を拒否し、精神疾患で二日で一食の生活をしていた私でも、労働の後の空腹には勝てるはずもない。


昼食後。お客様の都合によるが、およそ二時間から三時間の昼休みをいただく。


 この時ばかりは窓の無い部屋が、本当にありがたい。

 寝不足の身体には、窓の無い穴蔵は昼休みには最適である。

 
 とは言え、暇な時には活字を読みたくなる。

 が、前の人が置いて帰ったのだろう。こんな雑誌 (『実話時代』)の愛読者とは、下男はやはり、と。


昼休みも終わり夕食の配膳に取りかかる。とにかく、下男はかがみ仕事である。
 

 勢い、腰も悪くなるし第一、生活が不規則だ。

 そう言えば私もここに来てから、疲れの故か、チンコが一度も勃ってない。


 それはそうと、お客様が夕食に来られたら戦争だ。

 ビール、お酒から、かぶら蒸し、天ぷらなど温物のお出しなど、女中はパニック状態におちいる。

 私もあたふたとオーダーを確認しつつ料理、酒類をご提供する。

 チンコなんか勃ってる暇は無い。


夜も八時を過ぎる頃。最後のまかないの食事。


 そして、洗い物を済ませるのが十時過ぎだ。

 
 明日の朝も早い。


 
 明日の朝は、ちゃんとチンコは勃ってくれるのだろうか・・・




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 まさか、あのNao さん(笑)が、インポになってしまったとは・・・

 僕なんか、疲労困ぱいに陥ると、逆に下半身だけが元気になったしまい困ってしまうのだけれど。(「疲れマラ とは、昔の人は、なんて洒落たことをいうのか)

 きっと、疲れ過ぎどころではないくらいの極限状態なのだろう。


 ガンバレ~ Nao さんとNaoさんのチンコ!(笑)



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下男日記 (7) 下男の休日

吉野山の某温泉


休館日。疲れきっていた身体が目覚めたのは午前11時だった。


 丸々12時間寝ていた計算になる。

 こんな日は目覚めにビアをプシュッとするのが私の楽しみだ。

 軽く酔い心地のまま従食(従業員食堂)へ。

 
 聞いてはいたが、やはり休館日は、まかないも休みだ。

 今朝のお客様のチェックアウト後に全員休みに入ったのだろう。館内はシンシンとしている。

 
 とにかく疲れた身体をほぐそうと近くの温泉へと。

 フロントで千円を払い、案内された浴室へ。

 内湯で軽く身体を流し露天風呂へと。

 樽の露天風呂が疲れきった身体に心地よい。音をたててほぐれていくようだ。

 しばらく、二層の熱湯(あつゆ)と温湯(ぬるゆ)を行ったり来たりする。



大和の地酒 「やたがらす」 の樽酒


客は私と、もう一人、男性がいるだけだ。気がね無くゆっくり出来る。


 すると、かの男性が喋りかけてこられた。

 「あの酒樽の酒、自由に飲んでいいらしいで」と。


 何故だ?私はそんな話は一言も聞いていない。

 もしやフロントで私が下男である事がバレたのか? 私が下男である事を知っての差別を?

 いや、そんな訳あるまい。単に言い忘れただけであろう、と気を取り直す。

 下男は卑屈であっても下衆であってはならない。


 件(くだん)の男性は樽から注いだ酒を美味しそうに飲んでいる。

 私も彼に習い、一合升を手に取り酒樽の栓を引き抜く。

 勢いよく飛び出る酒を升に注ぎ飲もうとする。と、酒の表面に小さい虫がいっぱい浮いている。

 先の男性は横で美味しそうに飲んでいる。

 
 私の分だけ虫がいっぱい浮いている。


 これもやはり私が下男と知っての嫌がらせ、、、、。

 もうよそう。あまり深く考えると、またぞろ精神疾患が復活する。



昼酒露天風呂は極楽なり


改めて注ぎ直し、昼酒露天風呂を楽しむ。


 冷えた酒が喉に心地よい。


 入浴後。 町中の食堂でカツ丼を食べ、館内の自動販売機でハーゲンダッツのアイスクリームを購入。

 中々贅沢だ。


 その後、窓の無い穴蔵でウトウトと。

 目が覚めると、夕方の六時前だ。お腹が空いたので、かねて用意のどん兵衛を。

 
 しかし、お湯が無い。鍋もヤカンも無い。

 だから缶ビールの空き缶に水を入れて、備え付けの電熱器でお湯を沸かす。

 沸いたら熱いので身体を拭くタオルで缶を持ち上げて、どん兵衛に注ぐ。
 
 
 しかし、箸が無い。

 箸が無いからアイスクリームのヘラで、どん兵衛をすする。


 こうして下男の休日は暮れて行く...




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 昼間の明るいうちに、酒飲んで風呂に入って・・・

 こんな時は、「♪小原庄助さん、なんで身上つぶした? 朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした、あ~もっともだぁ、もっともだぁ♪」 と、民謡の 『会津磐梯山』 を、歌いたい・・・(笑)

 

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下男日記 (6) 下男 翔ぶ! か?

実質・7階の窓から見た光景


休館日前日。忙しかったのと、実に五ヶ月ぶりの仕事のゆえに身体がクタクタに疲れきっている。


 以前はこの程度の仕事なら楽にこなせていたのに、やはり身体は正直だ。

 わずか三日目にして悲鳴をあげるとは。

 何にせよ今日一日頑張れば明日は休みだ。


 とは言え修学旅行生の後片付けが大変だ。とにかく学生に必要の無い部屋の備品が全て出されているので、それを元に戻さねばならないのだ。

 これが結構重労働で、布団だけでも数十枚運ばねばならないのである。

 やっとの思いで作業を済ませ、さあ休みだと思いきや、まだ日が高い。

 
 そこでBさん共々、各部屋の窓拭きを命じられた。仕方あるまい。吉野山は世界遺産だ。よって景色が非常に美しい。

 従って窓は常に綺麗であらねばならない。世の常である。しかも当然二度拭きだ。

 
 Bさんに説明を受け、ソロリとサッシに足を掛ける。

 以前にもご説明したが吉野建ての建物は三階が玄関である。そして地下三階に当たるフロアが
一階だ。

 そして私が窓拭きを命じられたフロアは四階である。つまり地上七階部分の窓のサッシに登り外窓を拭くのだ。

 当然、命綱などあろうはずもない。下を見ると頭がクラクラする。

 
 二部屋目に取りかかった時、Bさんが様子を見に来た。

 私が 「ここから落ちたら確実に死にますよね」 と冗談めかして言うと、Bさんは真顔で 「三人くらい死んでるからなぁ」 と言った。

 確かに言った。三人くらい死んでいる、、、、。

 三人でも四人でもなく「三人くらい」である。



落下すれば、確実に死ぬのだ!


かように下男の命は軽い。紙の如く軽い。


 否、紙ならフワフワと落ちるだろうが、下男が落ちたら地面に向かって急降下、である。

 私は 「え?労災はおりたのですか?」 と聞くと、Bさんは 「さあ...」 と答えた。

 Bさんは悪い人では無い。むしろ他人の嫌がる仕事を積極的に引き受ける非常に良い人であるし働き者だ。

 朱に交われば赤くなるとはこの事か。


 しかし、窓拭きの最中に下男として転落死をされた方々は本当に無念だったであろう。

 心の中でそっと合掌しているとBさんが 「四人目にならんようにな」 と、冗談とも本気ともつかない口調で言って去って行った。

 
 何故か私は急に寂しくなった。

 とは言え命じられた全室を済まさないと終わらない。

 細心の注意をはらい、ようやく最後の部屋に来た。

 さて、これだけ終われば休みだ。

 と思い足を上げ右足をサッシに乗せると、何故か左足がすくんで動かない。

 
 何故だ。

 
 そして腰もふやけたように力が入らないのだ。

 その時、私の勘が働いた。私は自分自身の勘を信じる方だ。

 私の中の勘がこう囁いた。この部屋の窓を拭くと、本当に落下して死ぬぞ、と。

 
 私はどんな仕事であれ、中途半端は嫌いだ。

 しかし、それは命の安全が保障されての事である。

 私は自分自身の勘に従い、作業を中断することに決めた。自分に嘘をつくことになるが、やむを得まい。


 雑巾とバケツを片付け、最後の部屋を去ろうとした時、誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした・・・




投稿者: Nao

[編集長-つぶやき]

 よいか、落下対策! 足場の確認!

 安全帯の確実装着!絶対 無事故!

 ご安全に!




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下男日記 (5) 下男の無責任

髪の毛が浮いた茶碗蒸しを作り直してもらうべく板場へ。


 板前さんに旨を伝えると、「何ぃー!」 と叫び、大急ぎで作り直す。

 とは言うものの茶碗蒸しだ。盛り付けるだけでなく時間がかかる。

 と、丁度夕食交代とのことで私は軽く夕食を頂いた。


 その後、広間に戻ると女中達が何やらワイワイ騒いでいる。

 聞いてみると、その後、スープ状態で食べられない茶碗蒸しと青虫入り茶碗蒸し。そして段ボールの切れはし入り茶碗蒸しと次々と苦情が相次いだそうだ。

 その話をする女中達は、どこが何やら楽しそうだ。

 いや、完全に喜んでいる。他人の失敗がよほど嬉しいのであろう。



翌朝。朝食の配膳も終わり高校生達をお出迎えする。眠い。


 何しろ昨夜、洗い物が終わったのが夜の10時だ。

 ようやく寝付いたのが深夜2時で今朝は5時半起きである。

 眠くて仕方ないが、これも下男の宿命だ。

 高校生達が食事をしている間に我々も交代で朝食をいただく。


 するとBさんが血相を変えてヨーグルトの箱を抱えて走って行った。

 下男2日目の私だ。気にすることもあるまい。

 と、ここで思い出した。昨日、トラックから下ろした大量のトランクケース。

 下ろしたと言うことは積まねばならぬのだ。朝からすでに硬直している筋肉だ。果たして耐えられるだろうか?などと言う私の心配は希憂に終わった。

 何故なら私はバケツ・リレーの中でトランクをゴロゴロと転がすだけの位置をゲットしたからだ。

 そして、、、、。やはりと思ったが、トラックの荷台の前でトランクケースを持ち上げる一番しんどい位置には、案の定 ひょっとこマン がいた。

 人間の幸、不幸を私はグッと噛みしめた。

 
 そして。



お見送りの後、速、館内放送で全員集合を命じられた。何やら不穏な空気だ。
 

 話し始めた女将さんの唇がワナワナと震えている。

 何でも、昨夜の茶碗蒸しに加え、今朝の朝食のヨーグルトに賞味期限切れが20数個混ざっていたそうだ。

 しかもスタッフの誰一人、女将さんはおろか、支配人、専務にも報告をしていなかったと言う。

 これには添乗員さん、教師、そして生徒さんも激怒したそうだ。

 女将さんは言う。失敗は人間だから誰にでもある。でも、どうしてフロントに報告しないの!?と。

 すると女中の一人が 「お言葉ですが女将さん!そんな事言ったって、茶碗蒸しの出てくる時間が遅かったんです!」 とか、とんちんかんな抗議をする。

 これには女将さんも激怒した。当たり前だ。女中の分際で経営者様に向かって何を言うか。

 恐れ多くも資本主義社会、日本だ。



更に女将さんの怒りは続く。板前さんの姿が見えない。


 Bさんが 「休憩に入りました」 と告げると、「まあいい。どうせコレや」 と自分の首を右手でトントンと軽くチョップする。いつ見ても不気味な姿だ。

 しばらく女将さんの注意が続き、我々は掃除へと。

 
 女将さんは「こんな話、ネットに流れたらどうしよう」と不安気だ。

 心配せずとも高校生だ。帰りのバスの中でブログの更新を携帯でしているのは容易に想像出来る。

 
 広間の掃除が終わり厨房に行くと、休憩の終わった板前さんが 「明日はお客さんが少ないから、あさっては休みだ」 と微笑んでいる。

 休みどころかクビだよアンタ。と言いたいのをグッとこらえる。

 断っておくが、この板前さんはものすごくきれい好きだ。間があれば掃除をしているし、腕も良い。そして何より人柄が良い。

 今回の件は、ありえない偶然がたまたま重なってしまった不幸だろう。

 
 何にせよ、明日一日頑張れば休める。と私は安堵した。

 その一日が恐怖との戦いとも知らずに...




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 どこの職場・現場でも、危機管理・リスク・アセスメントは重要視されているが、報告がなされないと、何にもなりまへ~ん!がなぁ~~

 と、ホテルの危惧はこれぐらいで。


 僕は、ひょっとこマン に、会いたいぞ~!(怖いもの見たさか...)



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下男日記 (4) 下男と高校生

吉野山 ああ吉野山 吉野山!


吉野山は道が狭いため、11mの観光バスは入ってこれない。
 

 通常のお客様なら29人乗りバスで送迎するのだが、今回は高校生だ。駐車場から歩いて来るとの事。

 ただ、荷物だけは先に到着すると言う。

 
 夕食の配膳をしていると館内放送で男連中が呼ばれた。荷物の到着だ。

 その数、何と1.5屯トラック二台分だ。

 それを運送屋さんと下男とで荷下ろしする。

 
 しかし、高校生にしては贅沢だと思うのが、大半がトランクケースなのだ。従って非常に重い。

 私が高校生の頃の修学旅行のなんぞ MSGのスポーツバッグ* だった。

 時の重みと荷物の重みを切に感じる。


 ふと見ると、ひょっとこマンの顔も苦痛に満ちている。

 彼も辛いだろう。

 
 ようやく全ての荷物を下ろした頃、生徒さんがやって来られた。

 お出迎えである。女将さんや支配人に混じり、中年男の下男達が、高校生に向かって小声で 「いらっしゃいませ。ありがとうございます」 と、呟きながら頭を下げる。

 下男に年齢差など関係無い。



一通りお出迎えを済ませ、私は配膳へと向かう。


 予定が狂い時間が押しているので、お風呂の前に食事だとの事。

 何とか間に合い、生徒さんにとってはお楽しみの夕食だ。

 メニューは味噌仕立ての鍋、エビフライ、サラダ、そして茶碗蒸しに、ご飯だ。

 最近の旅行社は不景気もあり買い叩いて来るのでこんなものである。


 私は空いた器を下げるべく、女中と共にウロウロしていた。

 すると女子高生の一人が私に 「すみませーん」 と、声をかけてきた。小柄で色白の可愛い娘さんだ。

 呼ばれて行くと彼女は茶碗蒸しの器を 「コレ」 と、言い差し出した。

 そこには髪の毛が入っていた。

 下男の私は女子高生に謝り作り直しを伝えた。


 しかしそれは、単なる序章であったことを私はまだ知るよしも無かった...



*編集部・注:「MADISON SQUARE GARDEN(マジソンスクエアーガーデン)」(米国・ニューヨークにあるスポーツ・アリーナ)のロゴの入ったビニール製のスポーツ・バッグ。1968~1979に日本のエース(株)で製造されていたが、中高生に圧倒的な人気があった。その後、偽物が大量に出回った。

 決してMichael Schenker Group(マイケル・シェンカー・グループ)やMobile Suit Gundam(機動戦士ガンダム)のことでは無い。ましてや、Monosodium Glutamate(グルタミン酸ナトリウム)などという人類の敵・化学調味料とは関係無い!



投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 仕事初日から、いきなり、クレームかよ~。

 どうするNaoさん!さて、どうなるか??


 まぁ、飲食関係にはよくあることだけれど、それでもあってはならないのが前提...



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下男日記 (3) 下男の階段登り

窓の無い穴倉のような下男部屋


 下男生活初日。鬱で昼夜逆転の生活を送っていた私が昨夜、最後に時間を確認したのは午前四時であった。


 そして、けたたましく目覚まし時計が鳴ったのは午前六時半である。眠い。ものすごく眠い。

 しかしそんなわがままは許されない。なんと言え現在の私の立場は下男である。

 眠い目をこすりフロントへ。聞いていたように確かに今朝、チェックアウトのお客様は少ない。二組五名様だ。

 そして今夜の宿泊の予定は?と聞くと、北海道からの修学旅行生、220名だと言う。

 なるほど、それで今日の仕事に間に合うように急に呼ばれたのか。と納得しチェックアウトされたお客様の部屋の掃除に走る。

 
 掃除が終わるとBさんに呼ばれる。今日の修学旅行用のシーツを運ぶのを手伝って欲しいとの事だ。

 Bさんの後を追い、穴蔵横のボイラー室へ。

 ここで簡単に建物の構造について説明しておこう。吉野の建物の造りは 「吉野建て(よしのだて)」 と呼ばれ、国内でも珍しい、道路に面する玄関が三階である。

 そこから地下へ地下へと下り、一階と呼ばれるフロアは一般に地下二階となる。

 そして私の住む穴蔵は更に地下へと降りる地下四階に相当するフロアだ。

 ちなみにBさんはもう一つ下の地下五階の部分に住んでいる。

 少々ややこしいが、ここは吉野建てのルールで話を進めよう。要するに四階建ての旅館の地下二階にボイラー室が存在すると理解いただければ幸いである。

 
 そして私がBさんに命じられた仕事は、地下二階から階段で二階まで220人分のシーツと掛けカバーと枕カバーを運ぶのを手伝ってくれ、との事だ。

 四ヶ月間、寝たきりの私としては自信が無かったが、何しろ下男初日の身分である。断れる筈もなくBさんと二人、息を切らせながら運ぶ。

 三十分程度かかったろうか。ようやく運び終わった頃には腰が痛み、膝が笑っていた。

 いや、爆笑に近い状態だ。

 
 その後、細かな掃除や洗い物を済ませ、ようやく昼だ。食事が用意されているも今まで二日で一食だった身体である。ましてや階段往復の直後だ。おのずと胸から熱い物が込み上げてくる。

 Bさんには「食が細いんですぅ~」とか言ってごまかしながら、お味噌汁だけいただいて昼休みに入る。

 
 昼休み後の午後二時半。昨日まで忙しかったのであろう、今日の修学旅行に備えて休養を取っていた従業員が続々と集まって来た。

 皆で十名足らずだろうか。ふと見ると、私はその中に一人の小柄な男性を認めた。

 年の頃は五十代前半だろうか。五分刈りの頭に口は少し尖り、姿勢は悪く上目使いにこちらを見ている。


下男だ!まごうことなきこの人は下男だ!


 この人に赤いマントを着せ、黄金の冠を被せたらさぞかし似合うだろうと想像する。

 私は彼を秘かに心の中で 「ひょっとこマン」 と名付けた。

 
 下男は、他人の悪口を言わなければ生きていけない。卑屈でなければ生きていく資格がない。のである。

 それにしても見事な下男っぷりだ。彼を見ていると何故か映画 『ノートルダムのせむし男』 を思い出す。


 せむし男が恋をするのは許されるが、下男に恋は許されるのだろうか?



編集部・注: 画像はNaoさんの生活する 「穴蔵」 のような窓の無い下男部屋。(板の間・約6畳)白い壁に点在する染みは、強烈な湿気によるカビ。




投稿者: Nao

[編集長-ひとこと]

 よいぞ。よいではないか。

 この 「下男生活」 なんだか、つげ 義春 的な匂いがプンプンと漂ってきた。

 これからも、読者の方々と一緒に期待していきたい!



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下男日記 (2) 下男の始まり

ケーブルカーから下界を臨む~


ケーブルカーに乗り込むべく切符売り場を探す。 閑散とした入り口には、人っ子一人いない。


 案内図には大人350円とあるが、どこで切符を買えばいいのだろう。

 仕方なしに無人の改札を通ると、右手に事務所がある。声をかけてみるとGパン姿の女性が出てきた。制服ではなく私服である。

 が、それはそれで中々色っぽい。歳の頃から、およそ50手前だろうか。


 それはともかく、運賃を支払いケーブルカーに乗り込む。客はやはり私一人だ。

 改札の切符売り場の女性によると、発射まで後10分、、、、。では無く発車までお待ち下さいとのこと。

 所在なく待つ事10分。やがてイク時間が訪れ私一人を乗せたケーブルカーが発車する。

 切符売り場の女性が手動で扉を閉める。と、同時に 「ガクン」 とケーブルカーは発車した。

 心もとないケーブル体験だ。ブルンブルンとケーブルカーは揺れる。

 案内版を見ると、昭和三年着工のケーブルカーらしい。淋しさは更につもるばかりだ。

 そんな不安をよそにケーブルカーはようやく山上駅に到着した。やれやれだ。

 しかし、目指す旅館まではここから歩かねばならない。



夕暮れ前の吉野山の山門
 

秋のつるべおとしの季節だ。町の山門をくぐる頃にはすっかり暗くなっていた。


 そして肩に食い込む荷物が辛くなっていたその時、ようやく目指す旅館が見えてきた。


 働きに来た身分ゆえに玄関から入るのは失礼かと思い、勝手口を探すが見当たらない。

 仕方なく勇気を出して正面玄関から入ると、女将さんが 「naoさんですねー。どうぞどうぞ」 と喫茶に招かれコーヒーを出していただく。

 しばらく世間話をして、いよいよ仕事内容だ。分かってはいたが、つまり、部屋掃除、トイレ掃除、風呂掃除、洗い場、お茶出し、布団敷き、布団上げ、その他、掃除掃除掃除。


 つまりは、女性なら女中。

 私は男だから下男(げなん)だ。


 一通り仕事内容の説明を受け、翌日から早速仕事だ。

 明日はお客さんが少ないから2時半に出てくれとの事。

 よかった。鬱で寝たきりだった私にとっては好スタートだ。

 その後、女将さんの指示で下男Bさんに寮へと案内される。階段を下に下にとついて行く。

 そして案内された部屋は窓の無い部屋であった。

 直感的に私はこの部屋を「穴蔵」だと感じた。

 
 私の人生は穴蔵からの再スタートだ。

 穴蔵で荷物をほどいていると、やおらインターフォンが鳴った。

 取ってみると 「明日、朝の7時にフロントに来て」 だと。

  とにもかくにも私の下男生活はこうしてスタートした。




投稿者: Nao 

[編集長-ひとこと]

 下男生活スタートだね。それも、昼二時半スタートから、イキナリにも朝7時に変更だ~。

 この後、いったい、どうなるんだ~?

 ちなみに、大阪の商家では女中さんの男版といえば、丁稚(でっち)になる。

 下男(げなん)といえば、下女(げじょ)・・・つまりは、下僕、召使、になる==



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