梅雨 と 梅酒 (短歌)

梅雨入りと ともに漬けこむ 梅の実よ

恋し梅酒 濃いし梅酒








*毎年、青梅が出回るこの季節に梅酒を漬けるのですが、1年間で飲む量を考えて結構な量を漬けます。

 一般的な4リットルガラス瓶の倍の大きさの8リットルのもの2瓶に漬けるんですが、今年は4リットル瓶を1つ追加しました。

 消費予想量を超えて飲んでしまうので、毎年のごとく梅酒不足に陥り(笑)市販の梅酒を買う始末。

 しっかし、市販のものは甘ったるいのが多い割には、梅の味が薄い。。。

 我が家では買ってきた青梅にプラスして、隣家にある梅の木から落下した完熟梅も頂いてきて漬け込みます。すると、濃い~エキスが出るんでございます。

 糖分は氷砂糖ではなくて、天然の砂糖(キビ砂糖や黒糖etc)を毎日少量づつ追加していきます。甘味は控えめで。


 ああ、濃い~梅酒が恋しい。早く、濃い~梅酒が飲みたい。。。 

 後、半年から1年は待たないといけないか・・・











投稿者:庵祖兄





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[ 2017/07/10 18:34 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(3)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その4 (小説)

二日後。 霧ヶ谷一風斎は、新たな当主となる人物の住む島にやってきていた。


 中国地方の日本海側に浮かぶ小さな島々のうちの一つである。名を御島という。


 海岸の周囲をぐるりと岩礁に取り囲まれており、その外側の海は一年を通してずっと波が荒いため、地元の漁師すら近づけない所だ。

 遙か遠い昔、御島は本州と陸続きだった。地殻変動で海中に没した岬の最奥部が、島となって残ったのである。

 その岬こそ、かつて岬護家と衛士によって守られていた、神の住まう聖地 「岬」 だった。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/18 23:45 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(2)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その3 (小説)

衣服に付いた返り血は、すっかり雨に洗い流されてしまっている。


 その雨は徐々に激しさを失い、今は霧雨だ。ずぶ濡れの幻三郎は、ようやく洞窟の入口付近にまでやってきていた。


「誰だ!」

 細かい雨粒の幕の向こう側、行く手に小さな人影がある。

「やはり来たな、弥陀ヶ原幻三郎」
 
 野太い声が雨音の中を突き抜けてきた。背の低い男が入口を塞ぐようにして立ちはだかっている。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/13 23:56 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

入試前日 (ショート・ストーリー)

桃の節句が終わったので、お雛様を片づけた。


 うちのお雛様は享保雛といって、かなりの年代物だ。段飾りなどというものはない。


 男雛と女雛だけである。冠をかぶせた状態で幅・高さともに四十センチ以上ある大きな人形ではあるが、二体のみということでセッティングや収納にはさほど苦労しない。

 ただ、相当高価な骨董品らしいので、若干取り扱いに困る。既に女雛の髪が一部抜け落ちているし、男雛の手の甲にヒビが入っている現状で、これ以上状態を悪化させないためにも、湿気やカビや虫食いには常に気をつけていなければならない。











投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/06 23:19 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その2 (小説)

深い霧に覆われた小さな草原。


 既に草花はほとんど踏みしだかれ、背の高いものは皆無である。所々で黒っぽい土が剥き出しになってさえいる。

 
 弥陀ヶ原幻三郎は、忍び装束姿の二十四人の男にぐるりと取り囲まれていた。男達は、いずれも衛士という名に相応しい屈強の者ばかりである。

 その囲みは、幻三郎を中心として、半径五間の完全な円を描いていた。幻三郎が一歩動けば、囲みも動き、常に同じ状態を保ち続ける。

 
 衛士達は無言だった。表情もない。

 幻三郎は確かに 『天敵』 と名乗り、岬護幽一郎を殺したと宣言した。それでも衛士達は、動揺や憎悪を顔に出すことは一切しない。

 殺気もなく剣を構え、幻三郎を取り囲んだきりである。斬り掛かる様子を全く見せないのだ。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/03/27 23:31 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その1 (小説)

弥陀ヶ原幻三郎の行く所、必ず闘いの風が吹き荒れる。


 長年の兵法修行の過程で、あまたの武芸者の命を奪ってきた幻三郎には、彼を仇として付け狙う大勢の敵がいた。


 彼の剣名を伝え聞いて、腕試しにやってくる命知らずも後を絶たない。それゆえ彼は、全国どこにいようと、闘いを挑んでくる相手には不自由しなかった。

 
 時は元和四年(西暦一六一八年)、夏。大坂夏の陣において豊臣家が滅亡してから、三年が過ぎている。江戸幕府の統治の下、日本に長い泰平の時代が訪れつつあった。

 それでもなお、幻三郎の周囲では、常に戦国の時代の血生臭い風が、相も変わらず吹き続けているのである。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/03/21 16:17 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

紅茶も置いてない喫茶店 (ショート・ストーリー)

大して腹も膨れないメニューばかり、腹いっぱい食べようと思えばとてつもなく金がかかる飲食店


─ それが俺の持つ 「喫茶店」 に対するイメージだ。


 飲物の種類が多いとか、コーヒーの淹れ方がどうのこうの、紅茶の品種がどうのこうのといったこだわりとか、そういうものははっきり言ってどうでもいい。

 俺はそこそこうまい食い物をたらふく胃袋に詰め込みたいのだ。それもなるべく安く。

 だから、俺は一人では一生喫茶店には行かないと決めていた。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/02/19 23:45 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

特売で買っとくばい (ショート・ストーリー)

我が地元の百貨店は、半年に一度、八階特設会場で衣料品の大特売をする。


 三割引から八割引という、そう珍しくもない割引率なのだが、毎回開店前から大行列ができる盛況ぶりだ。


 なぜかというと、通常 「割引対象外」 が当たり前の高級ブランド衣料が、少量とはいえ、当たりくじさながら、安物の商品の中にまぎれて超格安で売られているからである。

 行列に並ぶほとんどの人がこれを目当てに来ているらしい。
 
 そして、俺は今、まさにその行列に並ばされているところだった。

 そう。並ばされているのだ。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/02/12 23:17 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その4 (小説)

風が生暖かい。


 そこは、湖というには余りにも濁り過ぎていた。焦げ茶色の水面には、細かい水草が無数に浮かんでいる。大鯰でも住んでいそうな沼だ。

 
 周囲を山に囲まれた沼辺は、結構広い草地になっていて、沼全体を容易に周回できる。

 弥陀ヶ原幻三郎の対面の位置に、古ぼけた小さな祠があった。

 「あれかな」

 幻三郎が呟く。三間四方ほどの木造の祠だった。外からは何を祀っているのかわからない。

 沼に面して申し訳程度の粗末な鳥居がちょこんと立っている。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/30 23:28 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その3 (小説)

弥陀ヶ原幻三郎が衛士の住む村に着いたのは、ちょうど日の出の頃である。

 
 表面的には、確かにただの山村だった。

 
 散在する茅葺き屋根の家々、山の南斜面に開かれた棚田や段々畑。人目を引くようなものは何もない。

 何人かの女達が小川で洗濯をしたり、米を研いだりしていた。皆、粗末な麻の衣服を身に纏い、互いに一言も交わすことなく、無表情で己の作業に励んでいる。

 男の姿は一人も見えない。幻三郎は女達の方へ近づいていった。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/24 23:15 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その2 (小説)

空気が湿っぽい。深い森の中を走る山道だった。


 濡れた大量の落ち葉が道をすっかり覆い隠している。雨風の直後のようだ。道の側を流れているとおぼしき水の音もバチバチと勇ましい。

 
 ここは安芸の国。広島城下に程近い山中である。そんなに辺鄙な場所ではなかった。道も人馬の行き交いに不都合がない程度に、そこそこの整備はされている。

 弥陀ヶ原幻三郎は霧島十蔵から書状を受け取って以来、寝る暇も惜しんで歩いてきた。丸三日と半日近くを費やし、進んだ道のりは八十里。勿論、馬も駕籠も使っていない。とにかく超人的なハイペースである。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/20 23:51 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その1 (小説)

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。


 何か書かねばと思いつつも冴えたギャグが思いつかずにここまで来てしまいました。

 
 そこで苦し紛れに僕が大学時代に書いた剣豪小説を引っ張り出してみました。ギャグもダジャレも一切なし。出てくるのはむさ苦しい男のみ。

 さらに仏教哲学にハマっていた頃の話なので、理屈っぽくて辛気臭いことこの上ありません。しかも恐ろしく殺伐としていますし。

 おもしろおかしい話を読みたい方は、パスされることをおすすめします。

 いやあ、随分昔に書いた稚拙な話なもんで、真面目に読まれるとこっちも恥ずかしいです。




 強い空風の吹く夕暮れだった。雑多な草がぼうぼうと生い茂る名もなき草原に、巨大な木製の鳥居がぽつんと立っている。社殿は影も形もない。かつて壮大な社殿があったとおぼしき一帯が、僅かにうず高くなっている程度である。今や、赤い漆のほとんど剥げ落ちた鳥居だけが、ぽつねんと天を見つめてそそり立っていた。


「こんなものか……」

 
 弥陀ヶ原幻三郎(みだがはら・げんざぶろう)は深編笠を目深に被り直すと、吐き捨てるように呟いた。鳥居に向かい、俯き加減でゆっくりと歩き出す。











投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/17 23:56 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

市議選あれこれ (ショート・ストーリー)

このところ我が市を賑わせている市議会議員選挙もいよいよ最終日だ。


 俺が住んでいる地区は、地元から候補者が出ていないこともあって、すっかり草刈り場と化している。


 一票でも手に入れようと、今日一日でほとんどの候補者がこの地区を巡っていた。

 とはいっても、俺自身はこの選挙には何の関心もない。

 
 中学生ゆえ、選挙権がないからだ。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/27 23:56 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(4)

辛過ぎたカレー (ショート・ストーリー)

今日の夕食はカレーライス。あたしのカレーは、作るたびに味が違う。毎回ルーの銘柄が違うのだから当然だ。


 従って 「我が家の定番の味」 なんてものはない。
 
 
 カレールーは基本的にとにかく安くて辛過ぎないものを、その都度スーパーで買っている。

 そして、ルーの味をベースに、キッチンの引き出しの中のスパイスを絶妙なライブ感覚で追加するのだ。


 ── 行き当たりばったりともいうけど……













投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/26 23:22 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

続々・急かされてダイエット 退屈しのぎ (ショート・ストーリー)

一人息子が二泊三日の修学旅行に出かけて二日目。


 夜にもなると、妻と二人きりの時間を持て余してしまっている。話題はとっくの昔に尽きた。


 仕方なくネットやテレビで暇を潰してはいるのだが、あまり没頭できない。日頃甘えん坊で何かと手の掛かる息子と関わっている時間が多いためか、息子がいないと何をすればいいのかよく分からない状態である。

 それは妻も同じようだ。いつもは夕食におかずを最低五品は作る妻が、今日は素うどんを面倒くさそうに作っていた。しかもノビまくっていてボソボソ切れる。妻自身は菓子パンを半分食べてそれでおしまいだった。息子が巣立った後のことを考えると非常に恐ろしい。息子には是が非でも家に残ってもらわねば……












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/22 23:40 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(2)

続・急かされてダイエット アミダで勝負 (ショート・ストーリー)

俺のダイエットの日々は唐突に終わりを告げた。


 「もうやめましょう」

 と、いきなり妻の方から言ってきたのだ。

 
 これはどういうことだろう。俺はまだ充分に痩せきってもいないのに。

 是非とも理由を説明してもらいたいものだ。


 ―― 貴公、わけを聞こう、なんちゃって。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/20 23:39 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(1)

急かされてダイエット (ショート・ストーリー)

 いちいち書くのも面倒なのですが、基本的にこのブログ内のネタやショート・ストーリーに出てくる人物は、たとえ 「俺」 と書かれていようと 「僕」 と書かれていようと、全て架空の人物です。

 決して自分をモデルには、しておりません。 妻や子どもが出てきましても同様です。
 
 
 そう念を押したところで、以下をどうぞ。




最近とみに腹が出てきた。

 やはり四十歳を越えると、代謝が悪くなって脂肪をため込みやすくなってくるようだ。


 もう太鼓腹もいいところである。当然若い頃の服は着られない。

 自業自得とはいえ、上着から下着までみんな買い換えなければならなくなった。小遣いが乏しいので、この出費は結構きつい。
 
 それでも俺は、痩せたいとはこれっぽっちも思っていなかった。


 だって、根っからの運動嫌いだし。食事制限もつらいし。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/14 23:46 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

得意は足技 (ショート・ストーリー)

俺は柔道部のエースだ。


 目下、地区大会では敵なし。去年の県大会はちょっとしたアクシデントで棄権してしまったが、なあに、まだ一年残っている。


 今年こそは絶対に県で優勝して、全中で暴れまくってやるぜ。

 と思ってはいたのだが、これまで、うちの部ではなかなか密度の濃い稽古はできなかった。

 俺の乱取り(自由に技を 掛け合う稽古)の相手を務められる相手が、部内に存在しないのだ。顧問の先生も柔道に関しては完全なド素人で役に立たない。

 いや、害悪ですらあった。受け身すらできないくせにいっぱしの指導者面で稽古に口出ししてくるのだ。みんな迷惑していた。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/12/07 23:50 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

ダジャレ探偵 2 (ショート・ストーリー)

長万部レオ(おしゃまんべ・れお)は探偵である。


 開業当初は自分の名前をもじって「オシャレ探偵」と名乗っていたが、あまりにレベルの低いダジャレをを連発するので、いつしか「ダジャレ探偵」と呼ばれるようになった。

 だが、長万部の関わった事件は、ことごとく二日以内に解決しており、犯罪者の間では「シャレにならねえ」と恐れられている。



 「消されたメッセージ」



 長万部レオは、さっぱり要領を得ない庭師の証言に業を煮やしていた。

「もう一度よく思い出してみてください。被害者が指で地面に書き残したメッセージを、あなた、確かに見たんでしょう」

 庭師が困り顔で首を傾げる。

「見たには見たんですがね、気が動転してたもんでチラッとしか見てないんでさあ。旦那様の死体を発見して、慌てて警察に通報して戻ってきたら、もうすっかり文字は消されてるし。── 勘弁してくだせえ。あっし、記憶力にはまるっきり自信がないもんで」












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/11/07 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

ダジャレ探偵 (ショート・ストーリー)

長万部レオ(おしゃまんべ・れお)は探偵である。


 開業当初は自分の名前をもじって 「オシャレ探偵」 と名乗っていたが、あまりにレベルの低いダジャレをを連発するので、いつしか 「ダジャレ探偵」 と呼ばれるようになった。

 
 だが、長万部の関わった事件は、ことごとく二日以内に解決しており、犯罪者の間では「シャレにならねえ」と恐れられている。



 「ダイイングメッセージの謎」


 ダジャレ探偵・長万部レオは、とある孤島に建つ大富豪の別荘に招待された。

 彼はその大富豪の名前に全く心当たりがなかったが、届けられた招待状があまりに怪しげなものだったため、好奇心に駆られてつい招待に応じてしまった。アホである。

 長万部は上機嫌で 「正体不明の招待状。イッツ、ショータイム」 などとつまらないダジャレを繰り返し呟きながら、迎えにきたモーターボートで島へ向かったのだった。
 











投稿者:クロノイチ





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[ 2016/11/03 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

お絵描きをしよう (ショート・ストーリー)

久しぶりにデッサンの練習をしようと思って、果物と野菜の模型を押し入れから引っ張り出してきた。


 オレンジ、リンゴ、バナナ、キューリ、トマト、ゴーヤ、ナスである。
 

 構図を考えながらそれらを一つ一つ器に乗せていると、お邪魔虫の弟がやってきた。

「よお、姉ちゃん。それって食えねえの? 本物そっくりなんだが」

 そう言って弟がヒョイとゴーヤをつまみ上げる。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/10/30 23:46 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(9)

大きいことはいいこと? (ショート・ストーリー)

たまたまタイミングが悪くて、朝食と昼食を食べそこねてしまった。


 俺は大食らいの食いしん坊。午後八時になった今、ひもじくてひもじくてたまらない。


 腹の虫が餓死してもはやウンともスンともいわないレベルである。

 午後九時。やっと残業が終わった。もう頭の中は食べることだけだ。味は二の次。とにかくガツガツと胃袋に食べ物を詰め込みたい。

 だが、俺はその気持ちをグッと抑え、少し離れた店まで車を走らせた。ここには本当の空腹時にぜひ一度行ってみたかったのだ。


「ジャンボ料理の店・多羅福(たらふく)」












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/10/20 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

バングル (ショート・ストーリー)

あたしは汗のニオイが滅法好きだ。


 そう断言してしまうとあらぬ誤解を受けそうなので言い直そう。


 ── 男子の汗が好きだ。

 
 ああ、この言い方もダメだな。

 男子の汗なら何でもいいというわけではないのだ。

 どう表現したらいいのだろう。嗅ぐとほのかに甘酸っぱい香りがして、喉の奥がガッと締めつけられるような感じになるやつが好きなのである。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/10/15 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

風呂 (ショート・ストーリー)

息子と一緒に風呂に入る。


 湯船にはビニールのアヒルやら水鉄砲やら、遊び道具がいっぱい浮かんでいて、僕が手足を伸ばすスペースがない。
 

 いいのだ。息子が喜んでさえくれれば。このおもちゃに気を取られて、少しでも長くお湯に浸かっていてくれるのあれば。
 
 でも、結局息子の風呂嫌いは治らない。

 早々に湯船を飛び出し、洗い場で遊び始める。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/10/10 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

親孝行 (ショート・ストーリー)

僕の手は血行が悪いせいか、結構冷たい。


 あ、今のは笑いどころじゃないから念のため。
 

 何の心構えもなく僕に触れられた人間は、たいてい背筋をビクッと震わせ、「死人かよ」 と言う。
 
 失敬な。あんた、死人に触られたことがあるのかね。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/10/05 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

夏のバス (川柳)

バスで行く 初めて彼女(あのこ)と 青い海


時刻表 帰りのバスより ラブホテル













投稿者:南斗庵





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[ 2016/09/29 20:18 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

スイートコーン (ショート・ストーリー)

給食に 「とうきび」 が出た。三分割されたのが一個だけ。


 だけどわたしは「とうきび」が大好きだったので、口にした時に思わずこう呟いてしまった。

「『とうきび』 おいしいな」 と。

 運が悪かったのは、隣の席にいじめっ子のトモがいたことだ。


 トモはあたしを嫌っていて、何かきっかけを見つけてはあたしに絡んでくる。

 トモはクラスのみんなに聞こえるように、大声でこう言った。

「へえー! 『とうきび』 だって。とうもろこしを 『とうきび』 だなんて、どこの田舎出身よ!」











投稿者:クロノイチ





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[ 2016/09/23 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(1)

決闘の情景 (ショート・ストーリー)

強い空風の吹く夕暮れだった。


 雑多な草がぼうぼうと生い茂る名もなき草原に、巨大な木製の鳥居がぽつんと立っている。


 社殿は影も形もない。かつて壮大な社殿があったとおぼしき一帯が、僅かにうず高くなっている程度である。

 今や、赤い漆のほとんど剥げ落ちた鳥居だけが、ぽつねんと天を見つめてそそり立っていた。

 そして、その前で対峙する男が二人。なぜか二人とも西部劇のガンマンスタイルで、ホルスターに収められた拳銃に手を掛けていた。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/09/20 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

蝉時雨 (短歌)

蝉時雨(せみしぐれ) かんかん照りで 夏雲や

なんや梅雨明け しとったんかい!








*梅雨明けの頃に発表しようと思っていたんですが、あまりにも駄作だったので掲載を控えました。

 「蝉時雨」 「かんかん照り」 「夏雲」 「梅雨明け」 と、俳句なら季語を複数使う季重ねという禁じ手(笑)を4つも重ねたというか、夏に関連する言葉を並べただけという安易な歌を詠んでしまい、恥ずかしさで赤面。

 しっかし、俳聖といわれる松尾芭蕉や小林一茶も季重ねの俳句は多数ある。

 
 本来、短歌は自分が見たもの、感じたものを詠むもの。

 気象庁が梅雨明け宣言をしていなくても、かんかん照りの天気が続いて蝉が鳴き出したら、梅雨明けだ。

 気象庁も 「実はあの時 、梅雨は明けていました」 と、後になって発表するのが毎年の慣わし。。。












投稿者:庵祖兄





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[ 2016/09/15 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(2)

特大家族 終章 カオスの予感  その3 "完結" (小説)

一時間後、「覇斗の誕生日を祝う会有志一同」は一階エレベーター前休憩所に集結した。


 茉莉花が準備したテーブルワゴンの上にはケーキの箱やポット、飲み物のペットボトル、スナック菓子、フルーツ、食器類が所狭しと置かれている。


「揃ったわね。行くわよ」

 楓がそう言うと、松之進が怪訝な表情をした。












投稿者:クロノイチ





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[ 2016/09/09 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)