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挑戦隊チャレンジャー・完全版 第二話「謎の戦神現る」 その1 (小説)

黒烏龍が大きな湯飲み茶碗になみなみと注がれた凍頂烏龍茶をすすりながら、悔しそうに言った。


 「茶飲み話といっても、負けちまった後だからなあ。愉快な話にはならんよな」


 「龍さんは特にコテンパンでしたからね。得意とする卑怯な闇討ちが全然通用しませんでしたし」
 
 玉露を煎れるための湯冷ましをしている最中の緑玉郎が辛辣な台詞を吐く。










投稿者:クロノイチ





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[ 2019/04/05 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

挑戦隊チャレンジャー・完全版 第一話 「襲来! コーヒー党」 その5 (小説)

クレーターの底のコスタリーカの目に輝きが戻った。


 おもむろに立ち上がった次の瞬間、背負ったリュックサックからのジェット噴射で地上に飛び出し、挑戦隊の行く手に立ちはだかる。 (しまった、退路を断たれた)

 
 レッドダージリンは自分の判断の遅さを悔やんだ。

「なかなかやりますね。あと五パーセント威力が大きかったら、あたくしといえども無事では済まなかったでしょうね。── でもここまでですよ」

 じりじりとコスタリーカが挑戦隊に迫る。レッドダージリンが固有武器の「トワイライトニング日刀(にっとう)」を取り出して構え、ブラックウーロンが「昇竜剣」を抜き放った。












投稿者:クロノイチ





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[ 2019/03/16 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

挑戦隊チャレンジャー・完全版 第一話 「襲来! コーヒー党」 その4 (小説)

挑戦隊としての初めての戦闘。


 それは実にあっけないものだった。


 コスタリーカの合図で、いかにも戦闘員風の男達がわらわらと地下から湧いて出たのだが、はっきり言って弱過ぎて戦いにならないのだ。

 どうやら相手は、茶色の全身タイツにコーヒー豆を象ったお面をかぶっただけの普通の人間らしい。

 各人が常人のおよそ十倍のパワーを持つ挑戦隊に到底敵うわけがなかった。

 軽く撫でてやれば、それで簡単に何メートルも吹っ飛んでしまう。












投稿者:クロノイチ





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[ 2019/03/05 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

挑戦隊チャレンジャー・完全版 第一話 「襲来! コーヒー党」 その3 (小説)

コーヒー党首領・キリマンジャロの襲来から一か月後。


 対コーヒー党用戦闘装備である「チャレンジスーツ」が完成した。


 玉郎がいつも着ている戦闘学生服をヒーローっぽいデザインに手直ししただけだったため、かなり短い開発期間で済んだようだ。

 これを着装することで、誰でも通常の十倍の力(玉郎のみ強化服の重ね着がプラスに働き、通常の百二十倍の力)で戦うことができる。











投稿者:クロノイチ





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[ 2019/02/24 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

挑戦隊チャレンジャー・完全版 第一話 「襲来! コーヒー党」 その2 (小説)

挑戦部がコーヒー党の存在を初めて知ったのは、半年前の四月。挑戦部創部記念茶会でのことだ。


 それは、学園内の日本庭園に朱傘と毛氈をしつらえての野点(のだて)だった。


 点前は茶道裏表千家(ちゃどう・うらおもてせんけ)家元・千宗者(せん・そうじゃ)の孫娘であり、生徒会長でもある千宗華(せん・そうか)(高等部三年生)による本格的なものである。

 ちなみに裏表千家は、明治時代にたまたま 「千」 という名字を付けた男が興したというだけの新しい流派であり、三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)との血統上の繋がりは全くない。











投稿者:クロノイチ





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[ 2019/02/16 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

挑戦隊チャレンジャー・完全版 第一話 「襲来! コーヒー党」 その1 (小説)

時は近未来。


 ここはとある都市の郊外にある全寮制中高一貫のマンモス校・私立セントバーナード学園。


 その広大な敷地の一角に「挑戦部」の部室はある。校舎から完全に独立した巨大かつ極めてユニークな一戸建だ。

 その姿はまさし く「犬の顔をしたスフィンクス」 以外の何物でもない。さらには全ての面が金属でできており、実にメカメカしかった。空想の世界ならば間違いなく犬型巨大ロボットとして起動するであろう威容である。

 そんな不可解極まりないオブジェに自動ドアが付けられ、内部に幾つもの部屋が設けられて、「挑戦部」のためだけの部室として供されているのだった。











投稿者:クロノイチ





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[ 2019/02/03 23:30 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

夏の路地裏 (俳句)

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Photo by Anthony  撮影場所: 大阪市中央区谷町6丁目



蚊柱に 身を避け通る 路地裏か






*「蚊柱」 といえば夏の季語ですが、

 蚊が集団で飛んでいるかのように見えるけれど、アレは蚊ではなくユスリカという別の虫で、蚊のように吸血するどころか口が退化しているためにエサを食べられず、わずか数日の命。

 あの集団行動は、雄が雌に対しての存在をアピールするための求愛行動だそうだ。


 なので、蚊に血を吸われる心配は無いのに身を避けていた僕は、その避けた場所でヤブ蚊に血をすわれてしまいましたとさ。(笑)


 ちなみに、写真の下駄履きに半ズボンの今にも蚊にやられそうな足を出している人物は僕ではありません。


 この俳句が生まれた経緯は、13年前の以下の記事をご覧ください!

     ↓


 → 「路地裏のポコペン (その1)」 (2005/6/2)

 → 「路地裏のポコペン (その2)」 (2005/6/8)

 → 「路地裏のポコペン (その3)」 (2005/6/10)











投稿者:庵祖兄

(初出:2005/6/10)





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[ 2018/08/14 19:29 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(9)

ラーメン狂騒曲 (ショート・ストーリー)

息子のリクエストで夕食はラーメンということになった。


 途端に妻が張り切り始め、冷凍庫から得体の知れない骨を大量に引っ張り出してくる。俺は、そいつが寸胴で煮込まれる寸前に身体を張って阻止した。


 深夜にたたき起こされて「スープの仕込みに六時間掛けましたのよ。どうぞ召し上がれ」なんて言われても辛いだけだからだ。

 第一、それまで空腹でいろというのもひどい話である。











投稿者:クロノイチ





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[ 2018/05/26 17:04 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(2)

初秋の蚊 (短歌)

長話し 顔の痒みに 気をとられ

足下の蚊に ポツリポツリと








*残暑も過ぎて朝晩も涼しくなってきた今日この頃ですが、
 
 天気の良かった今日は夕方になってもけっこう暑くて、短パンで近所をブラブラしてました。

 近所の顔見知りのオバサンとの立ち話がけっこう長くなって、「今夜の夕食は何にする」「お酒はよく飲むの?」 なんて、たわいの無い話の途中に顔を蚊に刺されました。

 顔の痒みに神経を集中していたら、散歩で汗をかいていた足を蚊に何か所も刺されてしまいました。(笑)

 結局、合計13箇所もやられてキンカンの瓶を探しまくった秋の夕べ・・・












投稿者:庵祖兄





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[ 2017/09/26 17:14 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(5)

梅雨 と 梅酒 (短歌)

梅雨入りと ともに漬けこむ 梅の実よ

恋し梅酒 濃いし梅酒








*毎年、青梅が出回るこの季節に梅酒を漬けるのですが、1年間で飲む量を考えて結構な量を漬けます。

 一般的な4リットルガラス瓶の倍の大きさの8リットルのもの2瓶に漬けるんですが、今年は4リットル瓶を1つ追加しました。

 消費予想量を超えて飲んでしまうので、毎年のごとく梅酒不足に陥り(笑)市販の梅酒を買う始末。

 しっかし、市販のものは甘ったるいのが多い割には、梅の味が薄い。。。

 我が家では買ってきた青梅にプラスして、隣家にある梅の木から落下した完熟梅も頂いてきて漬け込みます。すると、濃い~エキスが出るんでございます。

 糖分は氷砂糖ではなくて、天然の砂糖(キビ砂糖や黒糖etc)を毎日少量づつ追加していきます。甘味は控えめで。


 ああ、濃い~梅酒が恋しい。早く、濃い~梅酒が飲みたい。。。 

 後、半年から1年は待たないといけないか・・・











投稿者:庵祖兄





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[ 2017/07/10 18:34 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(9)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その4 (小説)

二日後。 霧ヶ谷一風斎は、新たな当主となる人物の住む島にやってきていた。


 中国地方の日本海側に浮かぶ小さな島々のうちの一つである。名を御島という。


 海岸の周囲をぐるりと岩礁に取り囲まれており、その外側の海は一年を通してずっと波が荒いため、地元の漁師すら近づけない所だ。

 遙か遠い昔、御島は本州と陸続きだった。地殻変動で海中に没した岬の最奥部が、島となって残ったのである。

 その岬こそ、かつて岬護家と衛士によって守られていた、神の住まう聖地 「岬」 だった。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/18 23:45 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(2)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その3 (小説)

衣服に付いた返り血は、すっかり雨に洗い流されてしまっている。


 その雨は徐々に激しさを失い、今は霧雨だ。ずぶ濡れの幻三郎は、ようやく洞窟の入口付近にまでやってきていた。


「誰だ!」

 細かい雨粒の幕の向こう側、行く手に小さな人影がある。

「やはり来たな、弥陀ヶ原幻三郎」
 
 野太い声が雨音の中を突き抜けてきた。背の低い男が入口を塞ぐようにして立ちはだかっている。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/13 23:56 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

入試前日 (ショート・ストーリー)

桃の節句が終わったので、お雛様を片づけた。


 うちのお雛様は享保雛といって、かなりの年代物だ。段飾りなどというものはない。


 男雛と女雛だけである。冠をかぶせた状態で幅・高さともに四十センチ以上ある大きな人形ではあるが、二体のみということでセッティングや収納にはさほど苦労しない。

 ただ、相当高価な骨董品らしいので、若干取り扱いに困る。既に女雛の髪が一部抜け落ちているし、男雛の手の甲にヒビが入っている現状で、これ以上状態を悪化させないためにも、湿気やカビや虫食いには常に気をつけていなければならない。











投稿者:クロノイチ





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[ 2017/04/06 23:19 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その2 (小説)

深い霧に覆われた小さな草原。


 既に草花はほとんど踏みしだかれ、背の高いものは皆無である。所々で黒っぽい土が剥き出しになってさえいる。

 
 弥陀ヶ原幻三郎は、忍び装束姿の二十四人の男にぐるりと取り囲まれていた。男達は、いずれも衛士という名に相応しい屈強の者ばかりである。

 その囲みは、幻三郎を中心として、半径五間の完全な円を描いていた。幻三郎が一歩動けば、囲みも動き、常に同じ状態を保ち続ける。

 
 衛士達は無言だった。表情もない。

 幻三郎は確かに 『天敵』 と名乗り、岬護幽一郎を殺したと宣言した。それでも衛士達は、動揺や憎悪を顔に出すことは一切しない。

 殺気もなく剣を構え、幻三郎を取り囲んだきりである。斬り掛かる様子を全く見せないのだ。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/03/27 23:31 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第二話 「決闘! 二十四 対 一」 その1 (小説)

弥陀ヶ原幻三郎の行く所、必ず闘いの風が吹き荒れる。


 長年の兵法修行の過程で、あまたの武芸者の命を奪ってきた幻三郎には、彼を仇として付け狙う大勢の敵がいた。


 彼の剣名を伝え聞いて、腕試しにやってくる命知らずも後を絶たない。それゆえ彼は、全国どこにいようと、闘いを挑んでくる相手には不自由しなかった。

 
 時は元和四年(西暦一六一八年)、夏。大坂夏の陣において豊臣家が滅亡してから、三年が過ぎている。江戸幕府の統治の下、日本に長い泰平の時代が訪れつつあった。

 それでもなお、幻三郎の周囲では、常に戦国の時代の血生臭い風が、相も変わらず吹き続けているのである。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/03/21 16:17 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

紅茶も置いてない喫茶店 (ショート・ストーリー)

大して腹も膨れないメニューばかり、腹いっぱい食べようと思えばとてつもなく金がかかる飲食店


─ それが俺の持つ 「喫茶店」 に対するイメージだ。


 飲物の種類が多いとか、コーヒーの淹れ方がどうのこうの、紅茶の品種がどうのこうのといったこだわりとか、そういうものははっきり言ってどうでもいい。

 俺はそこそこうまい食い物をたらふく胃袋に詰め込みたいのだ。それもなるべく安く。

 だから、俺は一人では一生喫茶店には行かないと決めていた。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/02/19 23:45 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

特売で買っとくばい (ショート・ストーリー)

我が地元の百貨店は、半年に一度、八階特設会場で衣料品の大特売をする。


 三割引から八割引という、そう珍しくもない割引率なのだが、毎回開店前から大行列ができる盛況ぶりだ。


 なぜかというと、通常 「割引対象外」 が当たり前の高級ブランド衣料が、少量とはいえ、当たりくじさながら、安物の商品の中にまぎれて超格安で売られているからである。

 行列に並ぶほとんどの人がこれを目当てに来ているらしい。
 
 そして、俺は今、まさにその行列に並ばされているところだった。

 そう。並ばされているのだ。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/02/12 23:17 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その4 (小説)

風が生暖かい。


 そこは、湖というには余りにも濁り過ぎていた。焦げ茶色の水面には、細かい水草が無数に浮かんでいる。大鯰でも住んでいそうな沼だ。

 
 周囲を山に囲まれた沼辺は、結構広い草地になっていて、沼全体を容易に周回できる。

 弥陀ヶ原幻三郎の対面の位置に、古ぼけた小さな祠があった。

 「あれかな」

 幻三郎が呟く。三間四方ほどの木造の祠だった。外からは何を祀っているのかわからない。

 沼に面して申し訳程度の粗末な鳥居がちょこんと立っている。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/30 23:28 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その3 (小説)

弥陀ヶ原幻三郎が衛士の住む村に着いたのは、ちょうど日の出の頃である。

 
 表面的には、確かにただの山村だった。

 
 散在する茅葺き屋根の家々、山の南斜面に開かれた棚田や段々畑。人目を引くようなものは何もない。

 何人かの女達が小川で洗濯をしたり、米を研いだりしていた。皆、粗末な麻の衣服を身に纏い、互いに一言も交わすことなく、無表情で己の作業に励んでいる。

 男の姿は一人も見えない。幻三郎は女達の方へ近づいていった。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/24 23:15 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

幻三郎旅日記 第一話 「風の中の剣鬼」 その2 (小説)

空気が湿っぽい。深い森の中を走る山道だった。


 濡れた大量の落ち葉が道をすっかり覆い隠している。雨風の直後のようだ。道の側を流れているとおぼしき水の音もバチバチと勇ましい。

 
 ここは安芸の国。広島城下に程近い山中である。そんなに辺鄙な場所ではなかった。道も人馬の行き交いに不都合がない程度に、そこそこの整備はされている。

 弥陀ヶ原幻三郎は霧島十蔵から書状を受け取って以来、寝る暇も惜しんで歩いてきた。丸三日と半日近くを費やし、進んだ道のりは八十里。勿論、馬も駕籠も使っていない。とにかく超人的なハイペースである。












投稿者:クロノイチ





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[ 2017/01/20 23:51 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)