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第五十二幕 チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

びっくり仰天現代史     映画『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』


映画『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 ポスター 国内版&海外版
映画『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 ポスター 国内版&海外版


 ラスベガスで混浴を楽しんでたテキサス州選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)がふとテレビを見ると、ソ連軍に侵攻されたアフガニスタンからのレポートで、ソ連軍と戦うムジャヒディンにインタビューしているものが映しだされていた。

 国防歳出小委員会のメンバーの一員でもあるチャーリーは、ワシントンに戻ると、事務方を呼びつけ、情勢を訊き、アフガニスタン支援の予算がたった500万ドルと知るや、すぐさま、自分の権限で予算の倍増を促した。

 チャーリーが指示した予算増額の件は、国家機密というに、チャーリーの選挙区の大富豪ジョアン(ジュリア・ロバーツ)の知るところとなり、反共主義者のジョアンはチャーリーをテキサスの自宅に呼びつけ、アフガニスタンに侵攻したソ連を撤退さすよう、すでに自分がセッティングずみの、パキスタン大統領との会談をチャーリーに促す。

 選挙区の大物後ろ盾であり、恋仲でもあるジョアンの申し出をチャーリーは断られず、しぶしぶ大統領(オーム・プリー)との会談に臨むが、将軍たちも交えた大統領との会談の場で、チャーリーは、現状に対するアメリカの無理解さをなじられ、よりいっそうの武器と資金の提供を要求される。

 大統領が用意したヘリに乗り込まされ、国境の難民キャンプでチャーリーが見たものは、母国から命さながら逃げて来た大量の人々があらそって食料を求める姿であり、ソ連が、とりわけ子供たちを狙ってばらまいた、おもちゃに似せた爆弾を拾って両手を失った少女の姿だった。

 すっかり打ちのめされたチャーリーは、帰国する機上の中で、CIAの担当役職を呼ぶよう、彼の美人秘書ボニー(エイミー・アダムス)に指示するが、翌日、チャーリーのもとにやってきたのは、問題児のため、局内でほされていたガスト・アブラコトス(フィリップ・シーモア・ホフマン)だった。

 下っ端CIAでは役に立たないと怒るチャーリーに、ガストは持参した上等ワインでチャーリーをなだめる。

 折しも、チャーリーの身辺に、先日のラスベガスで犯した、麻薬吸引嫌疑がかかってるとの極秘の報が届く。

 刑事事件の報に慌てた、チャーリーは、ガストを部屋からおいだすが、ガストは、とある方法で、そのチャーリーの慌てぶりの原因の一部始終を熟知するのだった。

 ガストの異能さを知った、チャーリーは、さっそくガストと組み、かくしてソ連軍撃退作戦の火ぶたが切っておとされました。

 この映画の物語は、事実に基づいていて、以後、映画が描く、チャーリーの果たした外交手腕、アメリカの介入をおくびにもださないで、アフガニスタンに武器を供給する方法は、国際「裏」舞台での仕組みを見事に暴きます。

 ソ連は、被害増大の結果、1989年にアフガニスタンから完全撤退し、ソ連が崩壊したのは1991年、アフガニスタン撤退から3年後のことでした。

 冗談みたいだけど史実の、ソ連を壊滅させた(かもしれない)、チャーリーとジョアンとガストの物語は、ガストが一生懸命チャーリーに言いたがる、塞翁が馬のエピソードが、結果、9.11でアメリカが手痛いしっぺ返しを受けたその後の史実を辿ると、決して看過できない、重みをもってわたしたちに迫ります。



 トム・ハンクスの誠実さとお気楽ぶりに目を奪われると足下をすくわれる、この映画は、わたしたちに世界戦略の裏の駆け引きを存分に教えてくれる一作でもあります。




投稿者: 今井 政幸


『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 公式サイト



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揚げ足取りじゃないんですが・・・

ガストが持参したのはワインではなく、上等なスコッチウィスキーです。
このストーリーの中では、ガストこそが最後まで正しい見識をもっていたんですね。そしてチャーリーもそれに気づいたけれど力が及ばなかった。
[ 2008/06/02 10:04 ] [ 編集 ]

上等なスコッチウイスキー

そうでした。間違いました。すみません。

ソ連がアフガニスタンから撤退した1989年は、映画「善き人のためのソナタ」の、11月に、ベルリンの壁が崩壊した年でもあるのですが、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」の、他の議員たちの、チャーリーが一生懸命説明する意見に対する無理解さも、どうにかならなかったものかと・・・。
[ 2008/06/02 12:38 ] [ 編集 ]

ありがとうございます。

酒好きの中でもスコッチ好きは理屈っぽいし頑固なこだわりを持っているので人からも疎まれることが多いです。ご丁寧に対応いただいてありがとうございます。
アメリカも世界の警察を自負していた頃、まだまだ子供だったんですね。いつか、アメリカが戦争のみでは民主主義が実現できないことに気づくとき、本当の尊敬を得られる国になるでしょうね。
[ 2008/06/02 13:44 ] [ 編集 ]

見てきた。題名を忘れましたが「美しかった僕の村」だかいう絵本を思いだしました。大昔から苦労してカレーズを堀り、維持して葡萄を実らせ畑を営んできた美しい村に“武器”がやってきて、男達はクワを捨て、男の本義は闘いというイデオロギーに犯されていく。

ガストが無能と嘲った外交部員の“ベトナムの仕返し”こそが案外正鵠を得ていたのであったのかもしれいワケだすが。→ アメリカ流の民主化(学校を作る)はタダシイとは限らないのだから。
日本のケースは成功したと思っているアメリカのオゴリこそが塞翁が馬だすべ。

[ 2008/06/02 15:14 ] [ 編集 ]

アメリカが戦争のみでは民主主義が実現できない

深い言葉です。
アメリカ以外の他の国々が率先して、これを指摘すれば、アメリの考えも変わることやもです。
[ 2008/06/02 22:10 ] [ 編集 ]

題名を忘れましたが「美しかった僕の村」だかいう絵本

絵本とは、『せかいいちうつくしいぼくの村』のことかしら?

http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4591041905/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=465392&s=books

>日本のケースは成功したと思っているアメリカのオゴリこそが塞翁が馬だすべ。

日本は、天皇の存在のおかげで、内乱めいた武力衝突が回避されたことでしょうか。

現在、自衛隊による海上給油活動が、アフガニスタンでのテロ防止軍事作戦を支援してることを思えば、この映画の描く、アフガニスタン戦争の裏事情は、より興味深いものがあります。
[ 2008/06/02 22:23 ] [ 編集 ]

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