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第十九幕 天然コケッコー

そして二人は幸せに暮らしました 映画「天然コケッコー」
 
 小中学生あわせて全校6人の過疎の村に、親が離婚したため、やってきた転校生大沢広海。
 いきなり、同級生ができることになった中二の右田そよ。

 二人を軸に展開するこの物語は、いくつかの成就しなかった過去の純愛の中でゆったりと進んでいきます。

 そのゆったりさは、なにかとそよに甘えてる、小一の田浦早知子が訴えるおしっこを、広海と話がしたいがために、そよがじゃけんにあしらったために、後で、早知子が病気になったことを知って、学校の廊下にへたり込むそよの姿を狙ったショットで描くシーンや、決して悪気はないのだけれど、つい、友達の気安さから気が緩んで、相手の気に障る言葉をぽろっとこぼして落ち込んだそよが、流す、自責の涙のシーンのように、誰にでもあった、いまなお思い出す、心に刺さった棘がじわっと浸み込むように、緩やかに進んで行きます。

 過疎の自然あふれた風景はだから、二人が修学旅行でやってくる東京の都会に比べて、決して、劣ってることではなく、むしろ、人の気持ちがゆったり和む桃源郷そのものです。

 そよの心の中で時間をかけてじっくり熟成していく広海への思いは、やがて、たしかに広海の心の中にも伝わっていくのですが、その、名場面が、下校途中でのシーンです。

 広海の制服のボタンが気になったそよが、広海を止め、二人並んで腰を降ろし、ボタンを付け替えながら、交わす会話。

 そよが発する言葉は、なにげなく、さりげなく、地元の高校進学を嫌う広海が、本当に、東京の高校へ行くかどうか、広海の気持ちを問い確かめます。

 ゆったりと、のんびりと、交わされる会話。

 東京からの転校生の広海に、田舎の自然の恵みが浸み込んでいく瞬間です。

 わたしたちが忘れたもの、といったそんな生やさしさではなくて、わたしたちが決してなくしてはいけなかったもの。
 
 自分を頼りにしてる小さな子供の気持ちへの思いやり。

 決して傷つけてはならない友人への気遣い。


 知らず知らず身につく心の実りが実感できる「天然コケッコー」見事です。


投稿者: 今井 政幸


「天然コケッコー」公式サイト


劇場に足を運ぶ前に、原作(漫画)とサントラをチェック!




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