鬼気迫るピアフ像 映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」
「愛の讃歌」とありますが、原題は、LA VIEN ROSE、バラ色の人生、です。
イブ・モンタンとの恋がもとで生まれたという「バラ色の人生」ですが、映画で描かれるのは、ボクサーのマルセル・セルダンの熱愛です。相手は妻もいる不倫なのですが。
物語は、「愛の讃歌」の曲で日本でも知られている、シャンソン歌手、エディット・ピアフの伝記が綴られるのですが、映画の物語は、時系列が、頻繁に前後します。
伝記的な映画より感情的に即してみるような作品、というのが監督の狙いです。
評価が分かれる、あちこちへと飛ぶ時系列のパズルは、しかし、確かに、歌手ピアフの、意識の流れと思える程に、やがて、一直線に、アメリカでの高評価、マルセル・セルダンとの恋、といったピアフの絶頂期の姿へと収斂していきます。
「TAXi」シリーズや、「プロヴァンスの贈りもの」のラッセル・クロウの相手役、マリオン・コティヤールがピアフ役を演じるこの映画の醍醐味は、ピアフに憑依されたかのように演ずる、マリオン・コティヤールの迫真の演技にあります。
マリオンの熱演により、わたしたちは、あたかも、実際のピアフの姿がそうであったかのような錯覚を与えられます。
――歌えなくなったら?
生きてないわ
――死を恐れますか?
孤独よりマシね。
――女性へのアドバイスをいただけますか?
愛しなさい。
――若い娘には?
愛しなさい。
――子供には?
愛しなさい。
――正直に生きられますか?
そう生きてきたわ。
両親の都合で、祖母の経営する娼家で育てられ、決して上品な育ちとはいえないピアフは、持って生まれた豊かな声量とたしかな歌声で、やがて路上で認められ、スターダムを駆け上がります。
重い眼の病が治癒したこともあってか、聖テレーズに祈る、信心深い、素直さを忘れないピアフは、自身が一番愛したマルセルとの恋を無邪気に人前にさらけだし、マルセルとの逢瀬が、女性ピアフの愛くるしさを引き立てます。
これはひとりの女性が、この世で、最高の相手とめぐりあい、恋に生きたあかしの物語です。
酒とモルヒネづけで半ば廃人と化したかのように体を患ったピアフが、病み上がりの中から、自らの姿を託したかのような、過去なんてどうでもいい、とオランピア劇場で「水に流して」を歌い、映画はピアフ讃歌となるのですが、鬼気迫る超人的、強靱的なピアフ像を、マリオン・コティヤールが演じきったこの映画は、とりわけ女性の方にとって、一見の価値ありでしょう。
投稿者: 今井 政幸
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「エディット・ピアフ 愛の讃歌」公式サイト
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たまには、映画館もいいですよ。
高い料金が難点ですが、わたしは、夜の、1,200円で見れるレイトショーや、前売券でしのいでいます。
久しぶりに映画館で見たくなりました。
ええ、DVDではなく劇場の大画面で。
ようやくTAKA 1さんから100点をもらえる映画を紹介できました。(爆)
私は、映画が終り字幕が出れば、すぐ立ち去る。これまで観た映画もそうでした。
これまでは
どう表現していいのだろうか?
この映画は、どのように構成されたとか、どのように演出されたとか、そんな理屈など忘れさせてくれました。「映画館を離れたくない!」。これが正直な感想です。完全にはめられました(笑)。
ですので、あまり多くを語るのは割愛したいと思います。あえて言えば
主人公ピアフの生涯に関わる人物が3人出てきます。その最後の人物との別れ。ここが最大の見所だと思いますが、それ以外も随所にあります。まだの人は、実際に観られたほうがよろしいでしょう。
何度でも観たい。
100点です
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映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(2007年、仏・チェコ・英)
★★★★☆ フランスの歌手、エディット・ピアフの伝記映画。 原題「LA VIE EN ROSE」は、ピアフの持ち歌「バラ色の人生」の意。 家庭に恵まれず極貧の人生を送った幼少のころから、 歌に目覚め、成功を収めるまでの物語と、 病に侵された晩年(晩年といっても40歳
[2007/10/18 21:16]
URL
富久亭日乗