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第二幕 ブラッド・ダイアモンド

燦然と輝く三位一体  映画「ブラッド・ダイアモンド」

 乱暴にアフリカ音楽を分解すれば、しっかと確かにリズムを刻むパーカッション、歌を奏でるリードヴォーカル、それに全体で和す合唱、といった3つのパートに区分けできるだろうか。
 
 アフリカ音楽が印象に残る、映画「ブラッド・ダイアモンド(血のダイアモンド)」はシエラレオネ紛争を背景に、紛争ダイアモンドをめぐる物語が主要登場人物3人の視点で展開する。

 しかし、三者の立場は、アフリカ音楽とは違い、ダイアモンドをめぐって対立しているのだった。
 ダイアモンドを狙う密輸商人ディカプリオ、ダイアモンドのために家庭を破壊された現地人ジャイモン・フンスー、密輸ダイアモンドルートを解明したいジャーナリスト、ジェニファー・コネリーという具合に。

 ひょんなきっかけで出会った三人が、われわれに見せる物語は、音楽のすばらしいハーモニーとは異なり、政府にはむかうRUF(革命統一戦線)が、いきなりジャイモン・フンスーの村を急襲し、反政府行動をアッピールするために情け容赦なく村人たちを殺戮する、そんななまなましいシエラレネオの現実の光景だった。
 RUFは、コノのダイアモンド採掘場をおさえ、密輸ダイアモンドを反政府活動の武器弾薬にかえて急速に勢力を伸ばしていく。

 この映画の醍醐味の一つは、平和がいともたやすく破壊される、そのダイナミックな激流の荒々しさが見事に描かれていることで、平和ボケ(?)日本人にはにわかに理解できない、あっけないほどの政府軍の瓦解ぶりが生々しい市街戦は圧巻!

 実はアフリカは、そこに産出する資源によって、かつてさまざまなトラブルに巻き込まれていた。
 アフリカ生まれの白人ディカプリオは、その母親が犯され殺され、父は首を吊らされて殺された。
 資源争奪をめぐる争いは、アフリカの地に、たとえ神がいたとしても、絶対、神は許しはしないだろう程に残虐な殺戮を引き起こしていて、「T・I・A」、This is Afurica.、と自嘲気味にいわれるほどに、人々の間に互いの不信感は募っていた。

 体格の良さから、腕を切り落とされずにすんだジャイモン・フンスーが強制労働で見つけた100カラットほどのダイアモンドが、ばらばらで利害が対立する三人を結びつける。

 ディカプリオは金のために、ジャイモン・フンスーは自由のために、ジェニファー・コネリーは特ダネのために。三人の協力が、美しく燦然と輝き始める。
 映画の美しさは、この三人のハーモニーが見事に奏でられたことで現出した。
 それは、ディカプリオが見たアフリカの大地の夕焼けの姿であり、ジャイモン・フンスーがまだ眠い息子に促して将来のために5キロ先の学校に送り出すとき見た朝日の美しさだった。

 神のいない地の、神がいたとしても、絶対、許しもしない地にも、ジェニファー・コネリーが現状を証拠をあげて糾弾することで訪れようとする祝福された平和。

 三人が、あたかも三位一体となって燦然と輝く映画「ブラッド・ダイアモンド」、ブラボーな作品です。


投稿者: 今井 政幸


→「ブラッド・ダイアモンド」公式サイト


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こんなコメントがありました!

投稿者:今井政幸2007/4/29 6:51
アフリカの人たちが人間扱いされていたかどうか、21世紀のいまでもどうなのか、そんなことすらうかがい知れるような良い出来ですね。


投稿者:Anthony2007/4/29 3:20
アフリカの音楽って、「ユッスンドゥール」とか、メジャーなものしか知りませんが、英米のロック「トーキング・ヘッズ」や「エイドリアン・ブリュー在籍時のキング・クリムゾン」なんかを通じて、身体に染み込みました。

投稿者:nao2007/4/27 23:53
アフリカには民主主義国から見ると様々な問題が山積しています。今井さんの提唱する映画を通じて世界世論が動けばいいなって思います。そう、現在のチベットのように。


投稿者:赤城忠次2007/4/26 21:52
人間関係がドロドロしてそうで、いい感じかな?


[ 2007/06/22 03:35 ] [ 編集 ]

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