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泡  [ うたかた ] (詩)

殻の薄い、巨大な卵の上で

ぼくらは朝昼の挨拶を交わし、

「さよなら、またね」 と手を振って

たそがれどきに別れを告げる。


ときには愛し合い、騙し合い、

裏切ったり、裏切られたり、

傷つけたり、傷つけられたり、

泣いたり、笑ったりして、一日が終わる。


父の父の、そのまた父の父の父… の代から、

何千年にも亘って、飽きることなく

繰り返してきた日常だった。


数千年の間に、幾人もの母が、母の母が、

母の母の母… の母が

病を得、あるいは事故に遭い、

あるいは老いて、死んだ。


だが、卵は何億年も前から、卵のまんま。

もちろん、卵の殻も、薄いまま。

ぼくたちは、一度も気付かなかった。

何に? もちろん、卵のことさ。


だって、それはいつも、

ぼくらの足元にあったから。

そして、ぼくらの眼には、

決して薄っぺらには見えなかったから。


ぼくらが、卵のホントを知ったのは、

ほんの10年前のことだ。

卵は、泡のように危ういということ。

卵は、殻が薄くて、ときどきヒビが入ること。


あの日からだよ、ぼくらが

サーカスの玉乗りよろしく両手を広げ、

「おっとっと」 と言いながら、

朝昼の挨拶を交わすようになったのは。


あの日からだよ、ぼくらが

ぼくら自身のいのちってものが

この卵の殻と同じように

泡のように頼りないと理解したのは。









投稿者: 英泉

(初出:2005/08/16 )

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[ 2014/12/23 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(3)

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旧ブログでの初回掲載時には、こんなコメントをいただいておりました。

光太郎 2005/8/16 13:57

 薄い皮が今日も少し裂けましたね。

 被害は今のところたいしたことは無いようだけど、山間部はどうなんでしょう


Anthony 2005/8/16 18:56

 雨で地盤が弱くなっているときに地震。たまりませんね。

 東北に住んでいる読者の皆さんは大丈夫なんだろうか?

[ 2015/03/05 23:42 ] [ 編集 ]

卵の殻とは地表のことで、
10年前のこととは、この詩の初出が22005年だから、
そこから10年前、、、

阪神淡路大震災のことですね。
[ 2015/03/06 00:35 ] [ 編集 ]

J.D.A さん、

 そうです。 

 あの日、人間はとても簡単に死ぬってことを実感しました。
[ 2015/03/06 01:29 ] [ 編集 ]

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