海のトルソー (詩)

砂丘よ 砂丘よ

陽炎の中に仰臥する海よ

その海の底には、今も

僕らと同形同大の

無数の足跡が刻印されているのだろうか


風紋の唄の節々に

僕らは日々のまぼろしを見

風紋に起こる陽炎の裏手に

ぼくらは海の手触りを知るが、

母よ!と呼ぶには

ぼくらの舌は、咽喉は

あまりにもひび割れてしまった


吹きすさぶ風が

ぼくらの唇を傷つけて去る

永すぎる 星の不在

永すぎる 日々の祈り


砂塵よ

まぶしい鳥が一夜を駈け抜ける間に

僕らはいくつの砂丘を越えなければならないのか


砂丘から、砂丘へ

僕らはもはや

愛し合う時間を食い散らし

愛し合う空間を侵し尽す

流離の無頼


僕らは無辺際の檻の中で

惑星たちのようにすれちがい

燃焼の極限を降下しざま

ふと たがいの脊椎に

凍る刀身を装填する


と、見よ!

風紋は突如としてくずおれ

みどり一色に沈んだ

豊かな海溝の傾斜に

僕らの血につながる

不眠の星たちが

青く澄んだ光を投げかけてくる











投稿者: 英泉

(初出:不明 )

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[ 2015/02/08 23:00 ] Menu:16 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

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