快傑白頭巾 第二幕 「恐怖の魔拳・狙われたみどり」 (戯曲)

シーン1 道

・みどり、舞台の右袖より登場。落ち着きのない様子で、何度もきょろきょろと後ろを見る。

ナレーター「謎の黒覆面の男によって兄を殺されたみどりは、兄の親友である早川健を追い、旅をしていた」

みどり  「変だわ。ずっと誰かに見張られているみたい。気味が悪いわ。──ようし」

・みどり、駆け出し、舞台の左袖へ。

・しばらくして、舞台の左袖から再登場。はあはあと息を切らす。

みどり  「別に、つけてくる足音もしなかったし、気のせいだったのかしら」

・その時、野良着姿の男、舞台右袖からやってきて、みどりの前で立ち止まる。











投稿者:クロノイチ



みどり  「え?」
野良着の男「飛鳥五郎殿の妹御、みどり殿でござるな」
みどり  「誰!」
野良着の男「しいっ!お静かに。拙者、飛鳥殿の知り合いでござる。貴方が兄君から預かった物を、お渡し願いたい」
みどり  「(怪誇そうに)貴方は?」
野良着の男「東条真吾。──兄君から聞いておられぬかな。万一の時は、例の物を東条に渡せと」
みどり  「いいえ。知りません!」
東条   「妙でござるな。飛鳥殿が言い忘れるとは……」
みどり  「貴方は何者ですか」
東条   「訳あって、身の上は明かせぬのでござる」
みどり  「そんな得体の知れない人に渡す物などありませんわ!」
東条   「まあ、そうでござるうな。話が通じておらぬとなれば、それが当たり前の返答。されど、こちらは急いでおりまする。お願いして駄目なら、力ずくで奪い取らねばなりませぬ」
みどり  「脅しですか。兄の知り合いというのも疑わしいものですね。──『(険しい表情で)もしや、兄を殺したのは……!」
東条   「(押し殺した迫力ある声)さあ、いかが。お渡し願えますか」
みどり  「貴方の思い通りにはなりませんわ」
東条   「仕方がありませんな」

・東条、みどりの腕を掴もうとする。

東条   「(突如、舞台の左袖に視線を移し)むっ!いかん」

・東条、疾風の如く、舞台の右袖に消える。

みどり  「(きょとんとした顔で)な、何だったのかしら?──あっ!」

・舞台左袖から、五人のヤクザが登場。一人は、縁日で売っているような特撮ヒーローのお面を被っている。みどり、数歩、後退すると、危険を感じて舞台右袖へ逃げ出す。

お面の男 「逃げたぞ! 追え!」

・ヤクザ達、後を追って、舞台右袖へ。


 シーン2 神社の参道

・舞台の右端に鳥居、正面奥に石灯寵(ベニヤ板に紙を張ったもの。ただし、板は外枠のみで、内側は紙だけ)がある。参道は石畳(横向きのマットを二枚連結して表現)。

・石灯寵の後ろに大きな草むらがある。

・みどり、舞台右袖より走ってきて、石灯寵の前で転ぶ。たちまちヤクザ達に取り囲まれてしまう。

お面の男 「なかなか足が速いじゃありませんか。ミーはすっかりヘトヘトになっちゃいました」
みどり  「(立ち上がって)貴方達、私に何の用ですか!」
お面の男 「ユアブラザーからユーが預かった物を、渡してほしいんですヨ」
みどり  「また、それ?」
お面の男 「また……? ミーとユーは初対面ネ」
みどり  「そういう意味じゃないの!」
お面の男 「ま、細かいことは気にしない、気にしない。ミーは何でもかんでもスピーディなのが好きネ。余計な問答しないヨ。さあ、皆サン、お嬢さんの身体検査をレッツ、ビギン!」

・ヤクザ達、みどりの身体を押さえつけようとする。

みどり  「きゃあっ!」

・突然、鍵盤ハーモニカによる「キラキラ星」のメロディーが響き渡る。

お面の男 「ホワット?何ですか?」
ヤクザA 「誰だっ!」
ヤクザB 「どこだっ!」

・ヤクザ達、きょろきょろと辺りを見回す。

・石灯寵の後ろの草むらから、早川健、立ち上がる。

みどり  「早川さん!」

・みどり、早川の背中に隠れる。

早川   「やれやれ、おちおち昼寝もできやしない。安眠妨害の慰謝料は高くつくぜ」
お面の男 「早川サンとやら。邪魔ですヨ。あちらヘシッシッ!」
早川   「仮面の悪太郎──そういう名前のヤクザがこの地方の悪党を牛耳っていると聞いたが、さてはお前さんが悪太郎かい?」
お面の男 「ほお。貴方のようなチンピラがミーを知っている? ミーも有名になったものですネ」
早川   「汚ねえ面を仮面で隠し、目的のためには平気で汚い手を使う、とことんバッチイ奴だって話は、ドブネズミだって知ってるぜ」

・悪太郎、怒りのあまり、地団駄を踏む

悪太郎  「ウッキー!(言葉にならない叫び)」
早川   「俺は至ってきれい好きでね。汚いものを見ると、無性に掃除したくなっちまう。すまんな。身体が止まりそうにない」

・早川、ヤクザ達の横をさっと擦り抜け、舞台右の石畳に立つ。ヤクザ達の動きが停止。

・早川、鍵盤ハーモニカをプーと吹く。パタパタと倒れるヤクザ達。

早川   「さあて、一番バッチイ奴を念入りに掃除するか。──こりゃ、素手じゃ触れ
     んな」
悪太郎  「(ぎょっとして)い、いつの間に! あわわわ。──先生! 先生!」

・タンクトップとトレパン姿の男、舞台左袖より登場。早川、両手を広げ、ヒュウウと口笛えを吹く。

早川   「お前さんが、用心棒をしているとは知らなかったぜ! ──ブルース・チェン」
ブルース 「わたしの名を知ってる、貴様は誰だ」
早川   「早川健」
ブルース 「早川? 知らんな」
早川   「じきに、一生忘れられん名前になるさ」
ブルース 「そうかな」

・ブルース、いきなり早川に回し蹴り。早川、それを紙一重で避ける。

早川   「(余裕たっぷりに)はっはは。凄い蹴りだ。さすがはブルース・チェン。日本で二番目の拳法使いだけのことはある」

ブルース 「(いきり立って)何!二番目だと? 俺より他に日本一がいるというのか?」

・早川、ヒュウウと口笛を吹く。例のポーズ(右手の人指し指と中指を顏の前で左右に振り、チッチッチと舌打ちする)の後、自分の顔を指差して、ニカッと笑う。

ブルース 「何い!よし勝負だ!」
早川   「いいだろう。勝負の中身はそっちで決めろ」
ブルース 「余裕かましやがって。今にそんな減らず口もきけなくしてやる」

・ブルース、石灯箭を指差す。

ブルース 「あれは大理石でできている。見ていろ。──アチョー!」

・ブルースの目にも止まらぬ拳が、石灯寵(紙の部分)に次々と風穴を開けていく。

・早川、賞賛の口笛を吹く。

・ブルース、舞台左の石畳に立ち、早川を不敵に睨む。

ブルース 「これ以上のことができたら、この場は見逃してやってもいいぜ」
早川   「ふむふむ。──いいかい。この石畳は大理石でできている」
ブルース 「ん? それがどうした」
早川   「やっ!」

・早川、ドンと石畳を踏む。石畳、真っ二つに割れ(左側のマットを左袖から黒子が引っ張る)、地割れが生じる。ブルース、思わずよろけてしまう。

悪太郎  「石畳が……割れた……」

早川   「それじゃ、このお嬢さんは引き取らせてもらうぜ」
ブルース 「クソッ!」

・早川、みどりを連れて、舞台右袖へ。屈辱感を噛み締めるブルース。

ブルース 「早川健……。この次会う時が楽しみだ……」
悪太郎  「クヤシーイー」

・悪太郎、怒りを剥き出しにして、石灯寵を蹴る。

悪太郎  「あいたたた」

・悪太郎、蹴り足を抱えて、痛がる。

・その隙に左袖より、すうっと東条が現れ、右袖へ消える。


 シーン3 道

・みどりと早川、舞台右袖より登場。みどり、辺りを見回している。地面に耳をつけ、追手の有無を確かめる早川。

早川   「大丈夫。誰も追ってきていないようだ」

・みどり、ほっとした様子。

早川   「(改まった態度で)さあ、話を聞かせてください。なぜ、貴方は狙われたのですか?」
みどり  「兄から預かった物を渡せ、と言われました」
早川   「それに心当たりは?」
みどり  「兄が殺される三目前、お守りをもらいました。肌身離さず持っていろと」
早川   「それは、今どこに?」
みどり  「これです」

・みどり、首から下げていた守り袋を外し、早川に渡す。

早川   「開けていいですか?」
みどり  「ええ」

・早川、守り袋の中から紙を取り出し、広げてみる。みどり、それを覗き込む。

みどり  「これは?」
早川   「暗号だ。忍者の使う文字で書かれている」
みどり  「読めないのですか」
早川   「文字は読めますが、文章を解読するには、鍵が必要です」
みどり  「鍵?」
早川   「たくさん虫食い穴の開いた紙です。それを、この紙に重ねて、穴から覗く文字だけを繋げて読みます」
みどり  「まあ」
早川   「どうやら、飛鳥の殺された理由が、この紙切れに関係していることは確実なようですね。──それにしても、忍者文字とは……」
みどり  「不思議ですわね」
早川   「(ふと、思いついて)もしや、飛鳥は忍者?」
みどり  「そんな! 兄はただの医者ですわ。ずっと。それは早川さんも御存知のはず」
早川   「幕府の隠密にこんな変わり種の忍者がいると聞きました。彼らは命じられた土地へ行き、そこで職を見つけ、妻を娶り、子を作る。そして、子孫に一つの掟を課すんです。 『この土地に生まれし者として地道に生きよ。ただし一旦、幕府の命が下れば、身命を顧みず公儀に尽くすように』 と。──それで、幕府は未来永劫、有能な隠密を確保することができる。その土地の風土や人物を知り尽くし、決して周りから怪しまれない隠密を」
みどり  「私の家系が、兄がそうだと?」
早川   「思い出した。今の話は飛鳥から聞いたんだ。確かその時は、『ちょっと小耳にはさんだんだがな』 と他人事のように……」
みどり  「そんなことを、兄が……」
早川   「間違いありません。飛鳥は幕府の隠密として動いていたんですよ。その途中で何らかの重大な事実を掴み、内容をこの紙切れに記して、みどりさんに託した。恐らくは、自分の身に万一のことがあった場合を考えて」
みどり  「(遠くを見るように)兄上……」

・早川、再び紙切れに目を落とす。

早川   「すると、飛鳥を殺した奴は、こいつを狙う奴、ってことか」
みどり  「(はっとして)仮面の悪太郎!」
早川   「(怒りに燃える目で)きっとそうです!」
みどり  「あ、待ってください。もう一人いました。確か、東条という人が。その人も兄から預かった物を渡せと、しつこく……」
早川   「(意外そうな顔で)え? ──だったら、結論を出すのは、まだ早いですね。思ったより根が深そうだ」

・早川、難しい顔で紙切れを懐に入れる。

早川   「これは、預かりますよ。それから、しばらくは貴方を陰から護衛することにします。いいですか?」
みどり  「あ、はい」
早川   「では、一度別れましょう」
みどり  「はい」
 
・早川、舞台右袖へ戻る。みどり、それを確かめた後、舞台左袖へ歩いていく。


 シーン4 森

ナレーター「みどりは、敵を誘い出すため、自分の判断で、人気のない森の中に入っていった」

・みどり、舞台右袖より歩いてくる。舞台左袖から仮面の悪太郎一味登場。しかし、ブル―ス・チェンの姿はない。

みどり  「また出たわね」
悪太郎  「ユーが、おあつらえ向きの場所に入ってくれたからですヨ。さっきは逃げておきながら、今度は会いたそうにする。──恋の駆け引きに似ていますネ」
みどり  「ふん」
悪太郎  「ミーの用件はわかっていますネ?」
みどり  「ええ」
悪太郎  「ユーの企みもわかっています」

・早川とブルース、拳法で戦いながら、舞台右袖から飛び出してくる。

みどり  「早川さん!」
悪太郎  「自分を囮にしてミーをおびき寄せ、早川サンに不意を衝かせようとしたのでしょうが、そうは問屋が卸しませんヨ。──さあ、用心棒同士が戦っている隙にさっさと密書をいただきましょう」

・悪太郎が手で合図すると、一斉にヤクザ達がみどりを取り囲む。

みどり  「きゃあっ!」
早川   「みどりさん!」

・早川、助けに行こうとするが、それをブルースに遮られる。

ブルース 「おおっと、お前の相手は俺だぜ。さっきはよくも恥をかかせてくれたな」

・ブルースの蹴り、早川を襲う。早川、パンチで応戦。

悪太郎  「おやんなさい」

・ヤクザ達、みどりに掴みかかろうとする。

・その時、東条真吾、舞台左袖より現れ、ヤクザ達に飛び掛かる。

悪太郎  「誰ネ!」
東条   「密書は渡さん」

・大乱闘。不意を襲われ、ヤクザ達、たじたじとなる。

ブルース 「ケッ!」

・ブルース、早川と戦いつつ、巧妙に東条の背後に迫り、後頭部へ指を一本突き立てる。
東条   「うぐっ!」
みどり  「東条さん!」

・膝を折り、ゆっくりと倒れる東条。

ブルース 「ふははは。俺の爪には猛毒が塗ってある。そいつはもう助からん」
早川   「ブルース・チェンめ!」

・早川の正拳ラッシュがブルースに作裂。

ブルース 「お、おのれ。この爪が掠りさえすれば、貴様とて……」
早川   「爪だと? ふふふ。切り札を先に見せたのは失敗だったな」
ブルース 「何?」

・早川、どこからか爪切りを取り出し、ブルースに見せつける。
早川   「両手の指先を見てみろ」

・ブルース、自分の指先を見て仰天する。

ブルース 「お、俺の爪が切られてる! い、いつの間に?」
早川   「さあね」

・早川、ブルースの首筋に回し蹴り。ブルース、フラフラになって倒れる。

ブルース 「俺の……完敗だ」

・ブルース、息絶える。

悪太郎  「ま、まずいゾ。逃げろッ」

・悪太郎、部下を引き連れ、舞台左袖へ。みどりと早川、東条の元へ走り寄る。

早川   「大丈夫か」
東条   「(弱々しく)密書は……密書は無事でござるか?」
早川   「ああ」
東条   「拙者、もう駄目でござる。こうなれば、恥を忍んで貴公にお願い致す。こ、これを」

・東条、懐から穴だらけの白い紙を取り出す。

早川   「暗号の鍵!じゃあ、お前さんが、あの紙切れの本来の受取人。幕府の隠密というわけだな」
東条   「さよう……。拙者は御公儀と飛鳥殿の間の連絡役でござる。密書を早く手に入れで、次の手を打つつもりでござったが、このざまでは……。もはや貴公のみが頼みの綱でござる」
早川   「俺にどうしろと?」
東条   「密書の内容次第でござる。事態が切迫したものでなければ、江戸の大目付様の屋敷に密書を届けてくがされ。後のことは、拙者の仲間が何とか致す。一刻を争うものであれば……、全ては貴公の双肩に……。貴公の武勇のほどは飛鳥殿より聞いております……。頼りにしておりますぞ。──うっ!」

・東条、意識を失う。

みどり  「東条さん!」
早川   「(脈を診て)まだ死んではいない。そうだ。一か八か、以前、飛鳥からもらった毒消しの薬を試してみよう」

・早川、腰の印寵から丸薬を取り出し、みどりに手渡す。

早川   「みどりさん、この人にこれを。俺は、仮面の悪太郎を追う。今ならまだ追いつける!」
みどり  「お気をつけて。きっと兄の仇を!」
早川   「ああ。必ず!」

・早川、舞台左袖へ去る。


 シーン5 大きな道

・舞台中央の奥に木が一本と、何のためにあるのかわからない踏み台がある。

・舞台左袖から、仮面の悪太郎とヤクザ達、登場。ゼイゼイと息を切らせている。

悪太郎  「やれやれ。まさかブルースがやられるとは……。でも、ここまでくればまず安心ネ。さっそく、次の作戦を練りましょう」
謎の声  「できるかな?」
悪太郎  「(舞台右袖を指差し)な、何だ、あれは、ホワット?」

・折り畳み自転車に乗り、右肩に例の立て札を担いで、颯爽と白頭巾登場。ぱっと降りるや、踏み台の上に登って、カッコいいポーズを決める。

悪太郎  「な、何者ネ!」
白頭巾  「(ポーズをつけながら)ははははははははは。シュバッと参上、シュバッと解決。人呼んでさすらいの正義の味方! 快傑白頭巾!」
悪太郎  「白頭巾だと」
白頭巾  「この地方の悪党どもを従え、極悪非道の限りをつくし、あまつさえ、密書を狙ってか弱き女性を襲った仮面の悪太郎! 許さん!」

・白頭巾、飛び降りて、裏向けにした立て札を踏み台に立て掛ける。そして、ハリセンを取り出す。

悪太郎  「皆サン。やっておしまいなさい!」

・ヤクザ達、短剣を出して、白頭巾に襲い掛かる。白頭巾、ハリセンで華麗に応戦。

・ヤクザ達、すっかり戦意喪失。

ヤクザ達 「た、助けてくれえ」

・ヤクザ達、ばらばらの方向へ逃げ出す。悪太郎、ぽつんと取り残される。

悪太郎  (うろたえて)ま、待ってください、皆サーン!」
白頭巾  「残るは貴様だけだ」
悪太郎  「こ、こうなっては、とっておきの手を使うしかないようですネ」
白頭巾  「何?」
悪太郎  「見よ。我が究極の変身を!」
白頭巾  「何?」

・悪太郎、懐から某プリキュアのお面を出して被る。

悪太郎  「フハハハハ。どうですか、ミーの最終形態は。この姿になったミーを倒せる者などどこにも存在しない」
白頭巾  「なぜ、そう言い切れる?」
悪太郎  「(自信たっぷりに)フフフ。このプリティでラブリーでビューティフルな私を誰が殴れるというのですか」
白頭巾  「(自分を指差して)──俺」
悪太郎  「はあ?」
白頭巾  「俺だよ」

・白頭巾が軽く悪太郎の腹を殴る。

悪太郎  「あわわわ」

・悪太郎、後ずさりで逃げようとする。

白頭巾  「待て!」

・白頭巾、ハリセンのロープを解き、先を下に垂らしてブラブラと揺らす。悪太郎、魅入られたようにしばらくその動きを見ているが、やがて。

悪太郎  「わあ、身体が勝手に動く!」

・悪太郎、自らロープを首に巻き付ける。

悪太郎  「ぐえ! く、首が締まる」
白頭巾  「十月十日、飛鳥五郎という男を殺しだのは貴様だな」
悪太郎  「ち、違う!」
白頭巾  「貴様だな!」
悪太郎  「違う。飛鳥なんて男は知らないヨ」

・白頭巾、強くロープを引っ張る。

白頭巾  「嘘をつけ!」
悪太郎  「は、本当だヨ。その日ミーは吉原の遊廓で、『ピー(実際にピー音が入る)』して『ピー』して『ピー』なことを……」
白頭巾  「(慌てて)それ以上言わんでいい。──では、なぜ密書を狙った!」
悪太郎  「か、金で頼まれたんだ! 密書を奪って燃やしてくれと」
白頭巾  「頼んだのは誰だ!」
悪太郎  「し、知らん男ネ」

・白頭巾、一層強くロープを引く。

白頭巾  「本当のことを言え!」

悪太郎  「し、知らん。信じてくれ……」

・白頭巾、ハリセンで悪太郎の頭を一撃。悪太郎、ぐったりとなる。

・白頭巾、ロープを解き、サングラスを外して、空を仰ぐ。

白頭巾  「飛鳥よ。今回も違ったよ……」

・白頭巾、懐からロープを取り出して、悪太郎の身体を木にがんじがらめに縛りつける。 うう、と唸る悪太郎。

・白頭巾 立て札を表向きにして、舞台右前方の地面(旗立て台)に突き立てる。そこには、『この者、仮面の悪太郎。御自由に石をお投げください』 と書かれている。

・白頭巾、自転車に乗り、舞台右袖に去る。


 シーン6 道

・みどりと東条、舞合右袖より登場。東条、まだフラフラとしており、みどりに支えられている。

みどり  「早川さあん!」
東条   「早川殿!」
みどり  「早川さあん!」
東条   「早川殿はどこへ行かれたのでござろうか」
みどり  「きっと、あの暗号文を読んで・ ・・」
東条   「追い掛けましょうぞ」
みどり  「(力強く)ええ!」

・みどりと東条、舞台左袖へ。

 シーン7 道

・早川、舞台右袖から現れ、舞台中央で立ち止まる。

早川   「(空を見つめ)飛鳥、お前の密書は解読したよ。俺の行く道は決まった。飛鳥、見ていてくれ。この次こそ、お前の仇を必ず……」

・早川、舞台左袖へ去る。

ナレーター「飛鳥殺しの真犯人を追う早川健。その行く手に待ち受けているものは、果たして何か。物語はいよいよクライマックスを迎える」



第二幕   幕   

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