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小説の神様 (ショート・ストーリー)

唐突な質問だった。


「よう、姉ちゃん。 『マンガの神様』 って誰か知ってる?」

「手塚治虫でしょ。有名でしょ。知らないの?」

「アチャー。 『オサム』 っていうんだ。 『オサムシ』 かと思ってた」

「馬鹿ねえ。で、いきなり何でそんなこと聞いてきたの?」
 

  あたしがツッコミを入れると、弟は慌てた様子でこう言った。












投稿者:クロノイチ


「あ、いや、今のは単なる前フリで、それをちょっとドジったってだけ」

「ふうん。──で、本題は?」

「『小説の神様』って誰だと思う?」

 なかなかの難問だった。志賀直哉という話もあるが、「小僧の神様」という著作に引っ掛けてそう呼ばれるようになったとも聞く。あたしか思うに、小説の神様といえばこの人、と万人と認めるような作家はいないんじゃないかな。──とはいえ、お手上げというのも癪なので、一応、こう答えておく。

「志賀直哉……かな」

「俺は森鷗外だと思う」

 あれ、クイズじゃなかったのかな。ただあたしの意見を聞きたかっただけ?

「どうしてそう思うの?」

「だって、神様だろ」

 弟はニヤリと笑ってこう叫んだ。


「オー、ガイ、ゴッド!」
 

 ああ、これが言いたかっただけか。

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[ 2019/07/03 23:30 ] Menu:05 Anthony's CAFE 文化部 | TB(0) | CM(0)

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